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東海国立3大学 新技術説明会(1)

日時:2011年05月26日(木)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • エネルギー

1)p型酸化ニッケルを用いた水素化シリコン薄膜太陽電池の性能向上技術

岐阜大学 大学院工学研究科 環境エネルギーシステム専攻 教授 野々村 修一

新技術の概要

現在の薄膜シリコン太陽電池はn型TCO(透明電極)/p型a-SiC:H/i型a-Si:H/n型a-Si接合構造でありn型TCO/p型a-SiC:H接合は逆接合となり性能を低下させる原因と成る。p型TCO/p型a-SiC:H構造の順方向接合を採用することによりp層での電子の再結合を抑止し、且つ開放電圧の向上を行う。このp型TCOにp型酸化ニッケルを用いる。

従来技術・競合技術との比較

現在の薄膜シリコン太陽電池はn型TCO(透明電極) )/p型a-SiC:H/i型a-Si:H/n型a-Si接合構造であり、n型TCO(透明電極) )/p型a-SiC:H接合は逆方向に接続された逆方向接合である。この逆方向接合部の特性は電気的疑似オーミック性の接続が実現されているが、p層で発生した電子が再結合する確立を増加させる。更なる効率向上にはこの逆接合部分の改良が必要となる。

新技術の特徴

・太陽電池
・光センサー
・半導体デバイス

想定される用途

・アモルファスシリコン薄膜太陽電池
・タンデム型(a-Si:H/微結晶Si:H)、トリプル型シリコン薄膜太陽電池(a-Si:H/a-SiGe/微結晶Si:H)
・ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池(HIT結晶Si太陽電池,構造;p型TCO/p型a-Si:H/i型a-Si:H/n型-c-Si/i-a-Si:H/n-a-Si:H)

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 医療・福祉

2)技能体験・教育訓練のための動作・力覚計測・提示技術

名古屋工業大学 大学院工学研究科 機能工学専攻 准教授 坂口 正道

新技術の概要

本技術は、動きと力覚を伴う技能を対象とする。熟練者や名人の真剣勝負の技を非拘束でリアルタイムに計測しながら、見学者に動きと力覚を同時に提示することで、見ているだけでなく手や体も使って他人の技能の体験を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

従来、現場では熟練者の見学がよく行われる。また、技能の計測や可視化、VR技術を用いた環境や対象の体験や訓練が行われている。これに対し、本技術では人の技能の体験に着目し、動きと力覚の同時提示を行う点が異なる。

新技術の特徴

・人の技能の体験を可能とする点
・動きと力覚を同時に提示する点
・体験に着目しているが、教育訓練にも幅広く応用可能な点

想定される用途

・伝統工芸やものづくり分野における技能伝承
・書道、スポーツ、楽器演奏等の教育訓練
・機能回復やリハビリテーション訓練
・次世代アミューズメントやコミュニケーション

  • 通信

3)OFDM変調技術を用いるITSネットワーク用協調通信技術

三重大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 助教 内藤 克浩

新技術の概要

本技術では、複数無線端末が自律的に送信時刻を同期させ、受信機におけるOFDM信号の到来時間差をガードインターバル(GI)長内に制御することにより、低遅延な複数無線端末を経由する経路ダイバシチ効果を得る。

従来技術・競合技術との比較

一般に経路ダイバシチ効果を得るためには、利用無線資源が増加する。一方、提案方式では利用無線資源の増加は少ないにも関わらず、経路ダイバシチ効果による伝送品質の改善が可能であり、低遅延な通信を実現できる。

新技術の特徴

・複数無線端末を経由することによる経路ダイバシチ効果を用いた伝送品質の向上
・自律分散制御による複数無線端末の送信時刻同期
・送信時刻をガードインターバル長内に制御することによる低遅延通信の実現

想定される用途

・メッシュネットワークの構築
・アドホックネットワークの構築
・高度道路交通システム(ITS)用ネットワークの構築

  • 建築・土木

4)全自動化した路面下の定量的可視化技術による維持管理

岐阜大学 社会資本アセットマネジメント技術研究センター 特定研究員 村田 芳信

新技術の概要

一定の低速度で連続的に牽引しながら2次元表面波探査を実施する装置を開発した。計測と同時に標準化された解析結果をその場で出力することも可能である。

従来技術・競合技術との比較

路面上を効率よく2次元表面波探査するためのランドストリーマでは、1時間あたり200m程度の測線の探査が限界であったが、全自動化により時速1?2kmの探査が連続的に可能となった。

新技術の特徴

・連続した牽引により、多数の地震計を断続的に移動展開することを可能とする(作業員の補助を必要としない)
・移動間隔が正確で、移動に伴う計測器の設置安定性が極めて高い(解析結果の信頼性が高い)
・道路の交通量の少ない時間帯を利用した連続計測が可能である(安全で効率のよい計測が実現できる)

想定される用途

・道路の舗装、路盤、路床、路体および盛土の健全性を定量的に維持管理する技術
・道路の不健全箇所(地震に対して脆弱な部分、陥没などの危険性箇所)の抽出
・盛土施工における品質管理(転圧状況や密度のばらつき)

関連情報

・試験計測可能

  • 医療・福祉

5)音声韻律・脳血流情報を用いた認知症早期スクリーニングの支援技術

名古屋工業大学 大学院工学研究科 情報工学専攻 准教授 加藤 昇平

新技術の概要

高齢者の音声特徴・脳血流データを解析することで、ごく早期の認知症発見・予防を実現する極めて簡易な、認知症スクリーニングの基礎アルゴリズムを提供する。1)高齢者の発話音声・脳血流データから早期認知症の認知機能スコアに相関性を有する特徴を的確かつ効率良く抽出し、2)信念ネットワーク等のグラフィカル数理モデルを応用し、認知症スクリーニングの知識・推定のモデルを実現する。

従来技術・競合技術との比較

一般に広く使われているな認知症スクリーニングツールは、医師・臨床心理士などによる口頭質問?回答形式のものであり、1)軽度・初期の症例への感度が低い、2)客観性に限界、3)実施時間が長い、などの問題があるが、本技術を用いることで音声・脳血流データから得た特徴を統計解析・モデル化することでこれらの問題を解決あるいは緩和することが可能になる。

新技術の特徴

・音声ならび近赤外分光法による脳血流を利用するため、完全に非侵襲であり、かつ、きわめて簡便な測定が可能
・認知症の危険度を確率的に出力
・統計とデータマイニングに基づくため、認知症重症度との相関・一致度を客観的かつ定量的に表現可能

想定される用途

・誰でも、定期的に、安心して、認知症スクリーニング検査を受けることが可能になる
・認知症の疑いを早期に発見し、専門医への受診誘導を促す仕組みが実現される
・地域ネットワーク(専門医, かかりつけ医, 地域包括支援センターの連携)を強化する中核的サービスを提供

  • 計測

6)光ファイバセンサを用いた構造物の変位計測

三重大学 大学院工学研究科 情報工学専攻 教授 成瀬 央

新技術の概要

センサである光ファイバのひずみを分布計測するシステムを用いて、外力によって生じるトンネルの直径変化をモニタリングするための新しい変位計測方法と装置を考案し、実験によってそれらの有効性を確認しました。

従来技術・競合技術との比較

ひずみ計測に利用されているブリルアン散乱現象、トンネルモデルである円環に対する弾性解析、計測条件に基づいた理論解析を行うことによって、従来必要であったセンサの校正を不要とするとともに管路などの細い管の直径変化計測も可能になりました。

新技術の特徴

・光ファイバ全体が独立したセンサとして動作するので、変位計測部を光ファイバの任意の位置に設置できます
・光ファイバセンサに電力を供給することなく10km以上の計測が行えるので、防爆性が要求される場合にも適用可能です
・パイプの直径変化やひずみに変換できるものであれば、それ以外の物理量もモニタリング可能です

想定される用途

・鉄道、道路、鉱山などの各種トンネルのモニタリング
・水道管、ガス管、パイプラインなどのモニタリング
・光ファイバが巻きつけられたパイプを埋設することによって、その上部の重量の分布計測

  • 医療・福祉

7)リハビリ実務者ニーズの工学的解釈に基づく訓練支援機器

名古屋工業大学 大学院工学研究科 情報工学専攻 教授 森田 良文

新技術の概要

リハビリテーション支援のためのロボット技術と生体計測技術。リハビリテーション現場で働く実務者のニーズを工学的に解釈し具現化するための技術。これらから上肢負荷抵抗訓練支援ロボットや手指感覚運動統合機能評価装置などが開発された。

従来技術・競合技術との比較

訓練支援ロボットにおいて、訓練軌道や負荷抵抗をリハビリ実務者が自由に容易に設定することが可能である。治療効果が数値化されるので客観的な評価が可能となる。これらにより、従来には無い支援を実現している。

新技術の特徴

・リハビリ実務者が行う治療を支援する
・患者の能力に応じたテーラメイドリハビリを提供する
・治療効果の定量評価を提供する

想定される用途

・リハビリ訓練支援ロボット
・リハビリ訓練効果評価装置
・福祉支援機器

  • エネルギー

8)高エネルギー密度を発生する水溶液系リチウム空気電池の開発

三重大学 大学院工学研究科 分子素材工学専攻 准教授 今西 誠之

新技術の概要

リチウム空気電池はリチウムイオン電池を超えるエネルギー密度を発生する蓄電池として期待されている。その安定作動には電解液が強い酸性や塩基性に片寄らないことが必要である。本技術はこの問題を解決する酢酸水溶液の利用を提案するものである。

従来技術・競合技術との比較

リチウム空気電池は従来技術であるリチウムイオン電池と異なり、外界の空気を燃料として駆動するため、より軽い電池として位置づけられる。リチウムを負極とする蓄電池としては理論上最大のエネルギー密度を発生する。

新技術の特徴

・水溶液中で可逆的に作動するリチウム金属負極
・大きなエネルギー密度(非水系で約3500Wh/kg)
・空気極以外の様々な電極との組み合わせが可能

想定される用途

・電気自動車用電源
・電力貯蔵
・長寿命一次電池

  • 材料

9)再利用可能なシリカ触媒による低環境負荷型アミド化反応

岐阜大学 工学部 機能材料工学科 准教授 小村 賢一

新技術の概要

等量のカルボン酸とアミンから直接的に高収率でアミド化合物を合成する固体触媒として、メソ多孔体触媒が有用であることを見出した。この触媒は重金属元素含んでおらず容易に回収再利用ができる。

従来技術・競合技術との比較

高価な有機試薬や有毒ガスを利用していた合成法に代わり、触媒は回収再利用が可能であり、酸とアミンから直接的に合成でき、副生成物は水だけであり低環境負荷型のプロセスに期待できる。

新技術の特徴

・回収再利用可能なアミド化触媒
・等量の酸とアミンからの効率的アミド化合成
・多孔質なシリカ

想定される用途

・ポリアミド合成触媒
・機能性オリゴペプチド合成触媒
・アミド化合物合成

関連情報

・御希望を教えて頂き後日対応致します。

  • 医療・福祉

10)人との親和性の高い歩行支援機の開発

名古屋工業大学 大学院工学研究科 機能工学専攻 教授 佐野 明人

新技術の概要

本技術では、人間とそっくりに歩くことができる歩行機の間に被支援者が入り、アシストを加えて歩行機が歩くことで、被支援者の脚運動と力学的に相互作用し、歩行支援となり得る効果を及ぼすことができる。支援者は、被支援者の脚の動きを直接制御せず、あくまでも歩行の様子を見ながらアシストの量や仕方を調整する。

従来技術・競合技術との比較

従来のアシスト装置との本質的な違いは、装置自体が歩行できる点である。本支援機は、受動歩行機と呼ばれる動力を有さない歩行機にハンドルや装着具を備えている。一般的な歩行支援機と違い、大掛かりなモータや制御装置を必要としない。このため、軽量かつ安全で、導入・運用コストを抑えることができる。

新技術の特徴

・動力の要らないまったく新しい歩行支援機器
・人間とそっくりに歩くことができる歩行支援機器
・安全で、導入・運用コストを抑えることができる

想定される用途

・高齢者の歩行支援
・歩行リハビリテーションのための理学療法士の教育・訓練
・片麻痺患者の歩行リハビリテーション

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

岐阜大学 産官学融合本部

TEL:058-293-2025FAX:058-293-2022
Mail:yugoアットマークgifu-u.ac.jp
URL:http://www.yugo-gifu.jp/

名古屋工業大学 産学官連携センター

TEL:052-735-5627FAX:052-735-5542
Mail:c-soccアットマークadm.nitech.ac.jp
URL:http://www.tic.nitech.ac.jp/

三重大学 知的財産統括室

TEL:059-231-5495FAX:059-231-5495
Mail:chizai-mipアットマークcrc.mie-u.ac.jp
URL:http://www.crc.mie-u.ac.jp/chizai/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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