説明会の
お申込み

つなぐしくみ 新技術説明会 ~情報・製造・バイオ・ライフサイエンス~

日時:2008年05月23日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 情報

1)MRI画像誘導ナビゲーションシステムにおける視認性を向上させる技術

立命館大学 情報理工学部 メディア情報学科 教授 陳 延偉

新技術の概要

近年オープンMR装置による画像誘導ナビゲーション治療や手術などが注目されている。本技術は、術前撮影されたCT画像と術中に撮影されたMR画像(誘導画像)との正確な位置あわせと融合により、術中に得られる誘導画像の画質が低くても患部の視認性を向上させる技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来は剛体(変形しない)位置合わせとして技術があるが、肝臓のような柔らかい臓器では精度が不十分であった.本技術は、肝臓の変形を考慮した位置あわせを開発した。位置あわせ精度も従来の3.3mmから1.5mmまで向上させた。手術ナビゲーションに使える精度となった。

新技術の特徴

・高精度である。
・位置あわせは全自動、前処理としての肝臓の分割は半自動
・ファントム及び実際の医用データに検証済み

想定される用途

・オープンMRの画像処理部分
・他の医用画像誘導ナビゲーションシステムへの応用も可能

  • 情報

2)配管使用量の自動積算システム

富山県立大学 工学部 情報システム工学科 助教 中田 崇行

新技術の概要

従来手拾いで実施していたJW-CADに基づいた建築用設計図面上の配管種別、サイズごとの配管長算出、また表の作成を、自動化し、発注者にその内訳表、集計表を提供するシステム

従来技術・競合技術との比較

線種を指定して図面を書いた上で、自動拾い可能な製品は存在する。しかし線種の指定できないJW-CAD等に基づいて作成した建築用図面を対象とした自動拾い、算出、作表システムは存在しない。

新技術の特徴

・対象とする工事の給水管の配管サイズ毎の総延長の自動算出
・途中の算出結果を作業者に提示、必要に応じて修正を加えることのできる機能
・算出結果を内訳表とともに、集計表を出力する機能

想定される用途

・建築設計段階での設計レビュー業務
・工事業者における配管コスト算定業務支援
・表作成支援

  • 建築・土木

3)地中熱を利用した道路・沿道の熱環境改善技術

福井大学 大学院工学研究科 建築建設工学専攻 教授 福原 輝幸

新技術の概要

当該技術は年間一定な地盤の温度(地中熱)を利用して、夏には路面をクーリングしてヒートアイランドを防止し、冬には路面をヒーティングして融雪や

従来技術・競合技術との比較

地中の採・放熱部と舗装の熱伝導率を高めることで、夏期における舗装から地盤への熱移動量を増進させ、路面の熱回収を向上させる。逆に冬には地盤から舗装への熱移動量を増やし、融雪性能を向上させる。

新技術の特徴

・従来のロードヒーティングシステムに比べて、20~30%程度の性能向上およびCO2削減が可能である。
・夏期におけるアスファルトからの熱回収は10~20%程度の性能向上が可能である。
・路面温度制御ソフトによるシステムの自動運転が可能である。

想定される用途

・室内環境改善
・建物周辺歩道の熱環境改善
・貯水槽の熱利用技術

  • 製造技術

4)大気中で動作可能な高密度マイクロプラズマジェット発生装置

東京大学 大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 准教授 一木 隆範

新技術の概要

高密度プラズマを細いノズルからジェット状に噴出させ、被加工物の局所部位にエッチング、溶断、薄膜堆積などの加工、表面処理を高速で行うマイクロプラズマジェット発生装置とその応用システムの開発事例をご紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来のプラズマ加工装置よりも2~3桁大きな加工速度を有し、様々な材料について高速エッチングを実証済み。レーザー加工と異なり、プラズマ励起化学反応を利用するため平滑な加工面が得られる。

新技術の特徴

・半導体製造で利用されるプラズマの1,000~10,000倍の高密度、高反応性
・マスクを用いずに数100μmレベルの局所プロセスが可能
・小電力でも大気圧動作が可能

想定される用途

・シリコン、その他各種材料の高速加工
・微小部材、局所領域のエッチング、表面処理、成膜

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

5)UHF-RFID導入のインフラとしての透明薄型電波吸収体

武蔵工業大学 知識工学部 情報ネットワーク工学科 准教授 岡野 好伸

新技術の概要

遠距離読み取りが可能である反面、電波が飛び過ぎるため誤認証が懸念されるUHF-RFIDの読み取り確度を向上させると共に、工場や店舗構内で目視による安全確保や採光を確保可能な実用型薄型電波吸収体。

従来技術・競合技術との比較

フェライトなどによる薄型電波吸収体に対し、重量を1/10以下に軽量化し施工やレイアウト変更に対応しやすく、工場構内や店舗内での運用性が格段に向上している。更に、ウレタンやゴム状電波吸収体では不可能だった光透過性の付与に成功し、目視による安全確認や、採光確保による景観保護が可能である。

新技術の特徴

・フェライト焼結材と異なり軽量で、衝撃に強い。
・ウレタン利用電波吸収体に比べて薄い(1/2~1/4程度)
・光透過性が高く、電波吸収体後方の状況の目視可能

想定される用途

・物流や生産現場でのRFIDによる物品管理
・量販店などでの盗難予防や出庫・在庫管理
・医療現場での電磁環境整備、医療機器の携帯電話機等からの電磁波曝露保護

  • アグリ・バイオ

6)定量的質量分析のための分子標識剤

長崎大学 共同研究交流センター 大学院医歯薬学総合研究科 生命薬科学専攻 准教授 真木 俊英

新技術の概要

標的分子に導入することにより、定量的な質量分析を可能にする分子標識の技術です。マトリックスを用いることなく、MALDI法に準じた簡便な操作で、酵素反応等を素早く解析する分子プローブ開発の支援ツールを提供します。

従来技術・競合技術との比較

分子プローブは、紫外・可視吸光や蛍光法を用いるものが一般的ですが、本技術は、質量分析法を利用可能にするツールです。質量分析の優れた分子定性能に基づいて、複雑な反応系への適用や、新しい分子プローブの設計が容易になります。

新技術の特徴

・マトリックスを用いることなく、低分子領域でのレーザー脱離イオン化質量分析を行なうことができる。
・微小な量で、酵素活性等の複雑な化学変化を同時に、定量的に解析することが可能
・選択的検出が可能であるので、未精製試料の測定も可能

想定される用途

・生化学反応評価用分子プローブ
・オンスポット酵素活性測定キット
・精密環境測定デバイス

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

7)新規膜蛋白質obifによる骨量調整技術の開発

(財)大阪バイオサイエンス研究所 発生生物学部門 研究部長 古川 貴久

新技術の概要

骨芽細胞の細胞形質膜に強く発現し、骨の石灰化に重要な機能を持つ新規膜蛋白質 obif (Osteoblast Induction Factor) の機能解析を通じた骨粗鬆症や骨折の治療および再生医療分野への寄与を目的とする。

従来技術・競合技術との比較

細胞形質膜に存在する新規膜蛋白質の機能解析を研究の本幹としており、分子の作用機序のユニークさによって従来技術と異なる産業技術へのアプローチが可能である。未知な点が多い石灰化の過程に特に機能する分子であり、新たな知見が期待できる。

新技術の特徴

・骨形成の中心である骨芽細胞分化において活性を持つ新規膜蛋白質obifの利用を目的とする。
・obif蛋白質は細胞形質膜に局在し、細胞間又は細胞基質間作用(細胞間シグナル・細胞接着など)に関与すると考えられる。
・未知な点が多い石灰化(生体鉱化)に関する技術開発への新たなアプローチ手法となりうる。

想定される用途

・骨芽細胞分化(石灰化)に関与する分子・物質のスクリーニング法の開発。
・obif 蛋白質・核酸・抗体を用いた疾患治療技術の開発。
・生体鉱化(biomineralization)メカニズムの解明(病的な石灰化に対する治療・予防法開発を含む)。

  • アグリ・バイオ

8)天然抗酸化活性物質を利用した薬剤耐性菌に対する抗菌剤の開発

東京農工大学 大学院共生科学技術研究院農学府 応用生命化学専攻 教授 多田 全宏

新技術の概要

極めて強い抗多剤耐性菌(MRSA:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌およびVRE:バンコマイシン耐性腸球菌)活性を有するジテルペンカテコール系化合物を見出した。これらは既存の抗菌薬とは異なる特徴的な構造を持つ。 本化合物の安価で高収率な合成方法も確立した。

従来技術・競合技術との比較

既知の抗菌剤で、MRSAとVREの両方に対してこのように強い活性を示した物質は極めて少ない。本研究の抗菌物質と構造的に類似したは物質は食品中の抗酸化活性物質や生薬の成分として知られており、毒性は弱いと考えられる。

新技術の特徴

1. 強い抗MRSA・VRE抗菌活性を示す。
2. 効率的な合成法を確立した。

想定される用途

1.皮膚や傷口に塗布する軟膏
2.病院内での医療器具や設備の消毒

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 創薬

9)アレルギー・感染症治療薬として有望な免疫核酸物質

福井大学 医学部 医学科 法医学教室 協力研究員 北川 治和

新技術の概要

我々が開発したCpG-DNA(G9-1)は、末梢血単核細胞においてIFN-αやIFN-γ産生を介してTh1免疫を強く誘導する。したがって、G9-1をTLR9リガンドとして生体に投与することにより、抗アレルギー剤、感染症ワクチン及び抗腫瘍免疫賦活剤としての有用性が期待される。

従来技術・競合技術との比較

Ballus/Krugらのチオール修飾オリゴは、致命的な副作用を有することが報告されている。一方、我々が開発したCpG-DNA(G9-1)は、非修飾型であり、従来のCpG-DNAより10倍以上強力なIFN-α誘導活性を有している。

新技術の特徴

・チオール修飾タイプではなく、非修飾型CpG-DNAである為、安全性が高い。
・非修飾型ポリG付加パリンドロームCpG-DNAは、高いTh1免疫刺激活性を有する。
・CpG-DNA G9-1には、持続的なサイトカイン誘導活性が認められる。

想定される用途

・アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎などの抗アレルギー剤
・ウイルス・細菌・真菌などの感染症の予防・治療薬
・白血病治療など抗腫瘍免疫賦活剤

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

10)関節リウマチ様および関節外病変を示す新規モデル動物

名古屋市立大学 大学院医学研究科 細胞分子生物学分野 学内講師 金澤 智

新技術の概要

これまでの関節リウマチモデルマウスと比較して、ヒトにおける症状をより良く示す新規トランスジェニックマウスを開発した。関節炎発症は、緩やかに始まり、長期間に及ぶため関節リウマチ薬の効果検討に適している。

従来技術・競合技術との比較

抗CCP抗体の産生が高値であった。また現在関節リウマチ治療に用いられるサラゾスルファピリジンおよびメトトレキサート投与により関節炎は有為に抑制された。 この他関節外病変として骨粗鬆症および間質性肺炎も観察された。

新技術の特徴

・これまでの関節リウマチマウスと比較して、ヒトにおける症状をより良く示す新規トランスジェニックマウス(D1CCマウス)を開発した。
・関節炎発症は、緩やかに始まり、長期間に及ぶため関節リウマチ治療薬の治療効果をより良く判定できる。
・実際に使用頻度が高い抗関節リウマチ薬投与により関節炎は有為に抑制された。

想定される用途

・新規抗リウマチ薬、骨粗鬆症治療薬スクリーニング
・関節リウマチバイオマーカー探索
・再生医療(軟骨、骨再生医療)

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
・本トランスジェニックに関する研究会を開催し、産学協同申請等を進める予定。興味のある方は参加可能です。

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 シーズ展開課

TEL:0120-679-005
Mail:scettアットマークjst.go.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top