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医学部合同 新技術説明会

日時:2011年11月18日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)帯電防止性能をもつ電子顕微鏡用包埋樹脂

久留米大学 医学部 解剖学講座(顕微解剖・生体形成部門) 准教授 太田 啓介

新技術の概要

電子顕微鏡用の包埋剤に軽元素からなる添加剤を用いて帯電防止能を付与する発明であり、従来の帯電防止処理や機器を行うことなく、電子の帯電による問題を回避し鮮明な像観察を可能とする画期的な技術である。

従来技術・競合技術との比較

電子顕微鏡観察用包埋剤は絶縁物であり、包埋試料断面を走査電子顕微鏡で観察すると帯電現象が起こる、従来の処理はいずれも像質の低下をともなうが、本発明の包埋樹脂を用いることで、高真空下等の好条件で試料表面を簡便かつ確実に観察することが可能である。

新技術の特徴

・電子の影響を受けにくく、絶縁物の表面を直接観察することが可能となる
・走査電子顕微鏡観察に用いることで、極めて鮮明な画像が得られる
・従来の帯電防止処理に比べ、試料包埋時に添加剤を混ぜるだけと極めて簡便かつ効率的に行える

想定される用途

・バイオ分野、及び樹脂の表面観察、ナノ粒子観察等、電子顕微鏡解析分野全般に適用される
・材料開発分野、ライフサイエンス分野、ナノテクノロジー分野に利用される
・光重合樹脂と組み合わせれば、粉体カーボン粒子や、化粧品粒子等の観察にも適用される

  • 医療・福祉

2)SUVナビゲータ付きPET/CTビューア

旭川医科大学 医学部 放射線医学講座 講師 沖崎 貴琢

新技術の概要

SUVの対象(ROI)を不連続に設定できるように、また設定をマウス操作により簡便にできるような技術を開発した。また、複数スライスに渡るSUVの情報を同時にリアルタイムに評価可能なシステムを開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来は1スライス上の幾何学的な形態のROI処理しかできなかったが、この技術により複数スライスのSUVを同時に、リアルタイムに評価可能であり、必要な作業工程、時間が大幅に短縮されるものと期待される。

新技術の特徴

・不連続に関心領域を設定可能
・マウスクリックで関心領域の増加、減少を簡便に設定可能
・隣接する複数のイメージに対して信号値をリアルタイムに取得、評価

想定される用途

・PET画像ビューア
・核医学領域のSPECTビューア
・CT・MRIを含めた医学画像ビューア

  • 医療・福祉

3)脊髄刺激装置を用いた難治性歩行障害への新たな治療戦略

福岡大学病院 神経内科・健康管理科 助教 樋口 正晃

新技術の概要

脊髄を電気刺激してパーキンソン症候群や他の神経疾患に伴う難治性の歩行障害や姿勢異常を改善させる治療技術である。本邦や欧米だけでも20万人以上の患者が存在し、新規でかつ画期的な治療法として発展するものと考える。

従来技術・競合技術との比較

様々な神経疾患に伴う難治性歩行障害に対する治療手段は全くなく、これに対する治療法として脊髄刺激が応用された報告はない。腹側及び背側からの頸髄刺激におけるその方法や刺激条件の設定などは新たに我々が開発した。

新技術の特徴

・腹側ならびに背側から頸髄神経を電気刺激し、難治性の歩行障害を改善させる
・歩行障害の改善をもたらす刺激条件の発見
・治療手技が比較的簡便であり様々な年齢層に適応可能

想定される用途

・パーキンソン病などの神経変性疾患に伴う難治性歩行障害への治療
・脳梗塞,脳出血などの脳卒中に伴う難治性歩行障害への治療
・様々な脳および脊髄疾患に伴う難治性歩行障害への治療

関連情報

・刺激装置の展示品有り

  • 医療・福祉

4)間葉系幹細胞由来Gut trophic factorによる腸上皮再生

札幌医科大学 医学部 内科学第一講座 講師 有村 佳昭

新技術の概要

MSC培養上清は、多彩なgut trophic factorを含有し,投与量に依存して実験腸炎の重症化を抑制し回復を促進した。また、腸上皮細胞株のアポトーシスを抑制し、細胞増殖・遊走を促進した。

従来技術・競合技術との比較

細胞治療と異なり、拒絶反応や細胞調製に制限されず、簡便かつ安全に治療できる利点がある。腸上皮の再生を直接促すため、炎症性腸疾患をはじめ、さまざまな難治性腸管傷害の根治的治療となりうる。

新技術の特徴

・培養条件および化合物として最適化することで、様々な疾患に対する再生医療へ応用が可能である
・MSC細胞移植療法に比較して汎用性、再現性、利便性、安全性が高い
・有益な成分を複数含有する「カクテル製剤」や未知の分子を含めた単一有効成分を標的とした創薬も可能である

想定される用途

・難治性腸炎の治療薬・予防薬
・生体組織の分化誘導および増殖に関する研究試薬
・その他の臓器に対する再生医療への応用

  • 医療・福祉

5)被検者の苦痛の軽減を目指した大腸内視鏡挿入操作支援ロボットの開発

産業医科大学 医学部 第三内科学 准教授 久米 惠一郎

新技術の概要

大腸内視鏡検査は、痛みや腹満感等の苦痛を伴うことが多く、患者・施行医いずれにもストレスである。この原因は施行医の技術格差に由来するもので、この格差をロボット化で解決し、患者の苦痛と施行医のストレスを軽減することを目的とする。

従来技術・競合技術との比較

現在、大腸内視鏡検査は、内視鏡医が操作部分を左手に持ち、スコープ本体を右手に持ちながら、終始立位で施行する。da Vinci等の手術用の遠隔操作ロボットは名高いが、これは硬性鏡を用いた外科的腹腔鏡手術のロボットであり、軟性鏡である大腸内視鏡を対象とする本研究開発とは趣旨を異にする。

新技術の特徴

・内視鏡医がスコープに直接手を触れずに遠隔操作ができる
・高度な内視鏡操作テクニックを修得せずに、ジョイスティックによるテレビゲーム感覚の内視鏡操作を可能にした
・各種内視鏡スコープが使用できるようスコープの脱着が可能である

想定される用途

・大腸内視鏡検査
・内視鏡的早期胃癌摘出術
・内視鏡的早期大腸癌摘出術

  • 医療・福祉

6)光環境操作による認知症・うつ病複合治療装置

金沢医科大学 医学部 生理学 教授 加藤 伸郎

新技術の概要

光刺激の慢性的施行によりHomer1aタンパク質を持続的に発現増加させると、アルツハイマー病モデルマウスの学習欠陥とうつモデルのうつ状態がどちらも改善された。これは、両疾患を1台で治療する複合的な治療装置を含意する。

従来技術・競合技術との比較

アルツハイマー病の原因物質アミロイドの作用を直接抑える治療薬・装置は未だない。我々はアルツハイマー病とうつ病の複合治療装置として電気けいれん刺激装置と経頭蓋磁気刺激装置も有効と示唆しているが、簡便性と日常生活への融和性の二面から本装置の方が優位である。

新技術の特徴

・うつ病とアルツハイマー病を1台で治療できる複合機
・アルツハイマー病原因物質のアミロイドβの作用を抑える
・日常生活の中の抗うつ空間

想定される用途

・住宅産業(うつ病を癒す住宅;気分の晴れる住環境;認知症の進展を遅らせる住環境)
・職場改善(能率向上できる作業空間)
・病室・介護施設(陰気なムードからの脱却;滞在するだけで認知症の治療となる環境)

  • 医療・福祉

7)よりクオリティの高い凍結用デバイスの開発-卵巣組織、iPS細胞、ES細胞への応用

聖マリアンナ医科大学 産婦人科学 教授 鈴木 直

新技術の概要

抗がん剤治療前に若年患者の卵巣組織を体外で凍結後、自家移植し生児獲得に成功した報告が続いている。しかし、標準的な方法である緩慢凍結法は様々な問題点を有しており、生児獲得率向上へと結びついていない現状がある。一方、我々は簡便な方法であるガラス化法用のデバイスを開発し、カニクイザルの卵巣組織をガラス化法で凍結した後に質の高い胚の採取に成功し、顕微授精によって高率に受精卵を得ることに世界で初めて成功している。そして、現在本デバイスを用いた臨床応用を開始している。

従来技術・競合技術との比較

本発明で考案された凍結用デバイスは、Cryotissue 北里バイオファルマ(競合技術)と比較して、細胞/組織の表面積を最大にすることによって、限りなく冷却速度ならびに加温速度が高まることとなる。加えて、熱伝導度が銅(競合技術)の倍以上であり、溶媒の温度を直接細胞/組織に伝えることが可能となる。さらに気化ガスが冷却速度を低下する(競合技術)という現象を極力低減することができる。

新技術の特徴

・冷却速度ならびに加温速度が高まる
・熱伝導度が銅の倍以上であり、溶媒の温度を直接、細胞/組織に伝えることが出来る
・表面がフラットな本発明品の利用により、ほとんど発生せず、気化ガスが冷却速度を低下するという現象を極力低減することができる

想定される用途

・卵巣組織凍結
・ES細胞の凍結
・iPS細胞の凍結

  • 医療・福祉

8)心不全の心筋インスリン抵抗性を再現したex vivoシステム

浜松医科大学 医学部附属病院 第三内科診療科群 免疫・リウマチ内科 助教 早乙女 雅夫

新技術の概要

今回、心筋芽細胞をある条件で分化・培養することで、心不全時のインスリン抵抗性心筋細胞を再現したex vivoシステムを開発した。本技術は、心不全時の心筋細胞における代謝評価や抗心不全薬のスクリーニングに資する。

従来技術・競合技術との比較

これまでは心不全モデル動物を用いており、インスリン抵抗性心筋に特化した効果判定が困難であった。本技術はこの課題をクリアし、現在注目が集まっている心不全に対する心筋代謝改善薬の開発に資する。

新技術の特徴

・心不全時のインスリン抵抗性心筋細胞を再現した
・市販のcell line(心筋芽細胞)から心筋細胞へ分化させる培養の条件を見出した
・vivoの心不全モデルと比べてサンプルの作成が容易で短時間である

想定される用途

・心筋代謝改善薬開発における薬効・至適濃度などのスクリーニング
・Cell lineを用いているため標的蛋白のノックアウトにより薬剤効果起点の再現性を容易に確認できる
・プロテオーム解析による新しい心不全診断のための生体指標の探索を容易にさせる

関連情報

・MTA等の契約等、交渉可能

  • 医療・福祉

9)紫外線により色素沈着を誘導できる新しいマウスの作製

関西医科大学 医学部 皮膚科学講座 助教 山崎 文和

新技術の概要

Stem cell factor を過剰発現させた SCF-Tg マウスはヒトと同様に表皮内に色素細胞を有しているが、メラニン産生量も過剰となり紫外線実験には適さなかった。そのマウスを CBA、HOS/HR-1、B6 のバックグラウンドマウスと交配することにより、メラニン産生量を抑えヒトの肌色に近い SCF-Tg マウスを作製した。

従来技術・競合技術との比較

今までの B6 マウスなどの有色マウスは紫外線照射をしても、毛周期によっては反応しなかったり、まだらにしか色素沈着・細胞障害を誘導できなかったが、当モデルは照射部に均等に色素沈着を来し、細胞傷害性や防御能を検討することができる。

新技術の特徴

・メラニンは紫外線だけではなく、化学成分や活性酸素などの吸収剤としても働く可能性が指摘されているため、消炎剤としての用途検索
・表皮内色素細胞から発癌する悪性黒色腫モデルとその治療薬の開発モデルとしての用途検索
・食べることで色素沈着を薄くする商品の開発用途検索

想定される用途

・紫外線防御剤(日焼け止め)の開発
・美白剤の開発
・色素細胞の長期間機能解析

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 医療・福祉

10)アディポネクチンによる新しい敗血症の治療法の開発

滋賀医科大学 外科学講座 消化器外科 講師 山本 寛

新技術の概要

メタボリックシンドロームのキー蛋白として知られるアディポネクチンがエンドトキシン活性抑制作用を持ち、ラットやマウスの敗血症モデルを用いて、敗血症の治療における有用性を示した。

従来技術・競合技術との比較

敗血症は難治性で致死率が高く、有効な治療法が確立してない。当教室の谷らが開発したポリミキシンB吸着カラムが臨床で汎用されているが、十分な治療法とはいえない。

新技術の特徴

・アディポネクチンを様々な製剤(注射・軟膏・吸入剤など)として投与する
・アディポネクチンを膜・繊維・中空糸・粒丈物などに固定化した吸着剤として利用する
・アディポネクチン測定が迅速かつ確実に行えるキットが市販されている
・分割出願した”侵襲管理方法およびアディポネクチンの利用”で治療効果の判定が可能

想定される用途

・アディポネクチンを投与して、エンドトキシンの中和を図る
・アディポネクチンを、敗血症などの治療に使用する
・疾患としては、敗血症・多臓器不全・DIC・ARDS・肝硬変・脂肪肝・熱傷・急性重症膵炎・外傷などに適応され

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

旭川医科大学知的財産センター

TEL:0166-68-2182
FAX:0166-66-0025
Mail:sho-kenkyuアットマークjimu.asahikawa-med.ac.jp
URL:http://www.asahikawa-med.ac.jp/dept/mc/imed3/

浜松医科大学 知財活用推進本部

TEL:053-435-2230
FAX:053-435-2179
Mail:sangakuアットマークhama-med.ac.jp
URL:http://www.hama-med.ac.jp/uni_ip.html

滋賀医科大学 研究協力課

TEL:077-548-2847
FAX:077-548-2086
Mail:hqsangakuアットマークbelle.shiga-med.ac.jp
URL:http://www.shiga-med.ac.jp/

札幌医科大学附属産学・地域連携センター 知財管理室

TEL:011-611-2111(内線2108)
FAX:011-611-2185
Mail:chizaiアットマークsapmed.ac.jp
URL:http://web.sapmed.ac.jp/ircc/index.html

金沢医科大学 研究推進センター

TEL:076-286-2211
FAX:076-286-2346
Mail:hrc-jimuアットマークkanazawa-med.ac.jp
URL:http://www.kanazawa-med.ac.jp/

関西医科大学 産学連携知的財産統括課

TEL:06-6993-9872
FAX:06-6992-1409
Mail:sangakuアットマークtakii.kmu.ac.jp
URL:http://www.kmu.ac.jp/

産業医科大学 産学連携・研究助成課

TEL:093-280-0532
FAX:093-602-5482
Mail:chizaiアットマークmbox.pub.uoeh-u.ac.jp
URL:http://www.uoeh-u.ac.jp/JP/IndustryCooperation.html

久留米大学 知的財産本部管理室

TEL:0942-31-7916
FAX:0942-31-7918
Mail:chikanアットマークkurume-u.ac.jp
URL:http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/joint/chizai/

福岡大学産学官連携センター(研究推進部 産学知財課)

TEL:092-871-6631(内線2832~2835)
FAX:092-866-2308
Mail:sanchiアットマークadm.fukuoka-u.ac.jp
URL:http://www.adm.fukuoka-u.ac.jp/fu853/home1/

聖マリアンナ医科大学 MPO株式会社

TEL:044-979-1631
FAX:044-979-1632
Mail:infoアットマークmpoinc.co.jp
URL:http://www.mpoinc.co.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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