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農研機構 新技術説明会

日時:2013年03月05日(火)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)カラフルポテト色素はインフルエンザと胃ガン細胞増殖を抑制

農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター 企画管理部 研究調整役 森 元幸

新技術の概要

赤・紫・黄の色鮮やかなカラフルポテトは、アントシアニン色素およびカロチノイド系色素を含有する。これらの色素は、抗インフルエンザウイルス活性および胃ガン細胞に対するアポトーシス誘導効果を有する。

従来技術・競合技術との比較

天然の食品由来の成分であり、古くから人類に食されていた食経験を有するカラフルポテトを原料とするものであるため、従来の製剤のように高価でも副作用を有するものでもなく、極めて安全性が高く、継続的に摂取することが可能である。

新技術の特徴

・抽出色素は、黄・赤・紫の鮮やかな色調を保ち各種食品に添加する目的においても、好適に使用することができる。
・赤紫抽出色素は、エルダベリーおよび中国黒龍江省の黒加倫からの抽出色素と同様に抗インフルエンザ活性を示す。
・胃を前ガン状態にしたマウスに色素含有パウダーを食餌すると、胃ガンの発生を阻害する。

想定される用途

・インフルエンザウイルス防御を目的として、家庭・業務用集塵フィルター、ウイルス防御用マスク
・風邪薬への利用
・制ガン剤への利用

関連情報

・展示品あり(カラフルポテトの塊茎、色素製剤)
・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

2)病気や毒素の診断薬・検査薬としてニーズが高い糖鎖チップの作製方法

農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品バイオテクノロジー研究領域 機能分子設計ユニット 主任研究員 今場 司朗

新技術の概要

第3の生命鎖として重要な機能を有する糖鎖を基板上に結合させた糖鎖チップの新たな作製法を開発した。糖鎖チップ作製においてもっとも大きな隘路はいかに多くの構造の糖鎖をチップ上に結合させるかである。DNAチップは他社によりオンチップ合成法が開発され、爆発的にチップ上のDNAの種類が増加した。そこで、糖鎖チップにおいてもチップ上でのオンチップ合成法を新規に開発し糖鎖の種類を簡単に増加可能となった。

従来技術・競合技術との比較

従来の糖鎖チップの作製法は多種類の糖鎖を集め、それを基板に結合させることにより作られていたが、それでは多くの糖鎖を集める過程がネックとなり、なかなか糖鎖の種類が増えない。ここで新規に開発した技術は有機化学的に基板上であらゆる構造の糖鎖を合成可能である為、容易に糖鎖の種類を増やすことが可能となり、活用範囲の広い糖鎖チップが作製できるようになった。

新技術の特徴

・フォトリソグラフィーを用いたチップ上での糖鎖合成
・オンチップ糖鎖合成
・チップ上での選択的水酸基の脱保護

想定される用途

・糖鎖チップ
・癌の診断薬
・インフルエンザ治療薬開発のツール

  • アグリ・バイオ

3)土壌診断法を併用した果樹の白紋羽病の生物防除剤及び防除法

農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 品種育成・病害虫研究領域 主任研究員 中村 仁

新技術の概要

白紋羽病抑止活性に基づいた土壌診断ができる。この土壌診断法を併用し、病気を起こす能力のない白紋羽病菌あるいは土着の拮抗微生物を活用した生物防除剤及び防除法を適時適切に処理することによって、果樹の白紋羽病を持続的に防除できる。

従来技術・競合技術との比較

白紋羽病抑止活性に基づく土壌診断法は、従来にない簡便な方法であり、生産現場でも使用可能である。従来の生物防除剤や防除法では使用した有用微生物の土壌中での定着性を確保できなかったが、本剤及び本法では可能である。

新技術の特徴

・病気を起こす能力のない(非病原性の)白紋羽病菌は、土壌中で有機物を分解可能
・土壌が有する白紋羽病抑止活性は、拮抗微生物の多様性あるいは密度を反映

想定される用途

・土壌環境を考慮した果樹白紋羽病の生物防除体系の確立
・温水処理による白紋羽病治療法と組み合わせた果樹白紋羽病の環境保全型防除体系の確立

関連情報

・展示品あり(土壌診断法器具および生物防除剤のサンプル)

  • 医療・福祉

4)ウエストナイルウイルス特異的血清検査法

農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 動物疾病対策センター 主任研究員 清水 眞也

新技術の概要

ウエストナイルウイルスに対するモノクロ?ナル抗体を新たに開発した。これを用いた競合ELISAは血清中の抗ウエストナイルウイルス抗体を特異的かつ高感度に検出可能である。動物種にかかわらず、検出を行うことができる。1μlの血清でも測定可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の血清検出法のうち、その多くは他のフラビウイルス感染血清と交叉反応を生ずる。今回開発した手法は極めて特異性が高く、日本脳炎ウイルスに対する抗体に影響されずに正確な検出が可能である。

新技術の特徴

・ウエストナイルウイルスに対する抗体を特異的に検出できる。
・従来の手法よりも高感度である。
・幅広いウイルス株に対する抗体を検出できる。

想定される用途

・ウエストナイルウイルスのサーベイランス
・ウエストナイルウイルスの血清抗体検出
・ウエストナイルウイルスの簡易検出法の開発

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 情報

5)現場の見える化をサポートするフィールドサーバ

農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター 畑作研究領域 領域長 平藤 雅之

新技術の概要

フィールドサーバは、センサ、カメラ、無線通信機器を一つの筐体に格納した野外用の高機能センサネットワーク用機器(センサノード)である。本特許群はこれを実現するための電子回路、ネットワーク技術、センサ、応用技術である。

従来技術・競合技術との比較

リコンフィギャブルデバイス、無線LAN、超小型PCなど発熱の大きい高機能な電子機器を小型ケースに格納し、野外で利用できる。また、葉の濡れや害虫など農業生産管理に必要な要素の計測を行うことができる。

新技術の特徴

・水田、畑、森林、集荷場、店頭、庭園、ビルの屋上、ゴルフ場、駐車場等における環境計測、植生の生育モニタリング、防犯
・Webサービスに接続しているユーザーのPCの遊休リソースをサービスの対価として活用する分散コンピューティング
・宇宙や室内で利用できるデスクトップサイズの超小型グロースチャンバ-

想定される用途

・メガソーラー等野外における高価な施設の管理・盗難防止のためのセンサネットワーク
・フリーのクラウドサービスにおいて、広告以外の収入源としてユーザーのPCをリソースとして使うビジネスモデル
・家庭・オフィス用の超小型テラリウム。観賞用や空気清浄用に用いる。

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

6)省力作業を提供するイチゴの移動栽培ベンチ

農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター 園芸工学研究部 施設園芸生産工学研究単位 主任研究員 林 茂彦

新技術の概要

イチゴの栽培ベンチを循環させることで、これまで必要だった作業通路をなくした。これにより作業者はハウス内を歩き回ることなく定植や収穫などの作業が定位置で快適に行うことができる。培養液の自動給液や無人防除にも対応できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のイチゴ栽培では、通路で台車を押しながら定植や収穫を行う。本技術により栽培ベッドが循環するため、作業者は歩き回る必要がなく、栽植本数も増加(8000本/10a -〉 16000本/10a)する。

新技術の特徴

・栽培ベッドが横移動する位置に、各種センサや収穫ロボットなど設置可能
・高密植な栽培により、単位面積あたりの収量が増加
・定位置に農薬散布装置を設置することで無人防除が可能

想定される用途

・環境制御や人工光栽培と組み合わせた完全制御型植物工場
・店舗設置により「店産店消」システムの構築
・生育モニタリングやメカトロ技術と融合させたICT生産技術

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 連携広報センター

TEL:029-838-8641FAX:029-838-8982
Mail:fukyuアットマークnaro.affrc.go.jp
URL:https://www.naro.affrc.go.jp/inquiry/sangaku.html
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