説明会の
お申込み

東京工業大学 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2015年10月23日(金) 09:30~15:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • デバイス・装置

1)効率的な金属ナノドットアレイの製造法

東京工業大学 大学院理工学研究科 機械制御システム専攻 教授 吉野 雅彦

新技術の概要

焼鈍法による自己組織化を利用し寸法精度が良く規則配列した金属ナノドットアレイを製造する手法を紹介する。またそれを利用したプラズモニックセンサーなどへの応用例を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

フォトリゾグラフィ法と比べて本方法は設備コストが安い、プロセスが簡便。また従来の自己組織化法と比べ、規則配列したナノドットアレイを製造することが可能、という点で優れている。

新技術の特徴

・寸法精度が良く規則配列した金属ナノドットアレイを製造することが出来る。
・高効率な製造が可能
・光学特性(LSPR特性)を自在に設定することができる。

想定される用途

・局在表面プラズモン共鳴を利用した化学センサー
・SERS用基板
・バイオセンサー

  • 製造技術

2)真空紫外光を活用した反射防止用微細構造作製法および接合法

東京工業大学 大学院理工学研究科 機械制御システム専攻 准教授 山本 貴富喜

新技術の概要

印刷技術にて作製したシリコーンゴムの微細突起構造を真空紫外光によりガラス化することにより、任意の自由曲面にガラス製の反射防止用微細突起構造を作製する手法、および真空紫外光による熱や接着剤フリーの接合法。

従来技術・競合技術との比較

従来のナノインプリント法には、プロセスコストが高い、大面積化が困難、任意曲面への作製が困難という問題があった。本手法は、これらの技術課題を部分的、または大幅に改善する。さらに、接着剤での接着が難しいシリコーン樹脂に対して、真空紫外光の照射のみで接着が可能となる。これにより、内部や表面の微細構造を熱や接着剤などで破壊すること無く接合が可能となる。

新技術の特徴

・印刷による付加加工技術のため、3次元的なナノ構造作製へ展開可能
・任意曲面、任意材料への構造作製が可能であるため、被加工物のデザインや素材を問わない。
・接着剤の利用が難しい用途や、表面に微細な構造がある基板同士の構造を破壊しない接合など。

想定される用途

・レンズなどの曲面を含む光学表面への反射防止構造作製(モスアイなど)
・窓ガラスなどを含む大面積反射防止、覗き込み防止、防汚処理など
・微細加工した基板間の接合

関連情報

・外国出願特許あり
・接合のテスト
・展示品あり(反射防止構造を試作した基板。光接合した基板の見本)

  • 材料

3)応力を高感度に検出できるメカノクロミック化合物と高分子材料

東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 教授 大塚 英幸

新技術の概要

本発明のメカノクロミック化合物は、力学的刺激により安定なラジカル構造が発現し、白色から桃色へと鮮やかに変色する。さらにこの色調変化した化合物は、UV照射下で強い黄色発光を示す。また、これらの挙動は可逆的である。

従来技術・競合技術との比較

本発明の材料は、ラジカルの発生に伴うクロミズムであり、従来の機器測定により定量的な応答性評価を可能とする。また、安定なラジカル化合物が固体発光すること自体が新たな発見であり、従来にはない特徴と言える。加えて、骨格に金属種や共役系を有していないため、無色透明材料の創製が期待できる。

新技術の特徴

・熱または応力(延伸、摩擦、衝撃など)により発色・発光(UV照射下)し、化合物の電子状態により着色・発光色を変化できる可能性がある。
・特殊な環境下(嫌気下や減圧など)は必要なく、様々な環境で繰り返し使用が可能
・ポリマーブレンドなど、本申請化合物を多量に含むポリマーを用いずともクロミック特性の発現が期待できる。

想定される用途

・力学センサー(力学的ストレスのセンシングとマッピング、セキュリティー材料)
・材料の寿命予測 (構造材料、コーティング材、接着材)
・エンターテインメント (スポーツ、レクリエーション、玩具など)

  • 製造技術

4)液相プロセスにおけるグラフェンの低コスト量産プロセスの開発

東京工業大学 大学院理工学研究科 化学工学専攻 助教 荒尾 与史彦

新技術の概要

黒鉛はグラファイトシートの多層構造となっている。この層を剥離させて薄くすることで、グラフェンを取り出すことができる。本技術では、水に適切な界面活性剤を投入し分散安定性を確保した上で、マイクロレレベルの隙間に高速流動させることで、より効率的に結晶の大きいグラフェンを取り出すことができる。

従来技術・競合技術との比較

従来の超音波剥離法では生産能力が1g/hでスケールアップできないといった問題点があった。本技術では、ラボ機で3.6g/hを達成しており、量産機を用いることで、1kg/hを超えることも可能である。また、内部の流動状態を制御することで、グラフェンの大きさを制御することも可能である。

新技術の特徴

・燃料電池の触媒担持材としての応用
・耐腐食コーティング材
・樹脂材料への難燃性付与

想定される用途

・導電性インクとして使用でき、透明導電膜を作成できる
・樹脂への添加剤として、高強度化、高熱伝導性、電気伝導性を付与できる
・スーパーキャパシター

関連情報

・サンプルの提供可能

  • デバイス・装置

5)液晶ディスプレイを用いる多点蛍光分析

東京工業大学 大学院理工学研究科 化学専攻 准教授 火原 彰秀

新技術の概要

液晶ディスプレイとイメージセンサを蛍光検出光学系に用い、検出される蛍光の偏光を変調することにより、薬物など低分子の免疫測定に用いられる蛍光偏光度を2次元測定する。安価で可動部のない小型・多点解析装置が実現できる。

従来技術・競合技術との比較

従来装置は大型かつ高価で、定量に2回の測定が必要であり、精度や時間分解能低下が起こっていたのに対し、本発明では、2次元の測定を一度に行うことができ、バイオ分析/診断の高速化・小型化・高精度化が期待できる。

新技術の特徴

・定量分析用の蛍光分析
・可動部のない偏光変調と解析
・小型

想定される用途

・可搬型分析・診断装置
・Point-of-care診断装置
・バイオイメージング装置

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

6)規則正しい結晶構造を作るペプチド・タンパク質によるフォトリソグラフィー

東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 准教授 早水 裕平

新技術の概要

この技術は、グラファイト基板上に自己組織化し規則正しく緻密な構造を形成し、フォトリソグラフィー技術を用いて、固体表面上に自己組織化ペプチド膜のパターニングを可能とするものです。

従来技術・競合技術との比較

ポリマーやタンパク質の積層した膜を利用した電子線リソグラフィー技術は確立されているが、本技術の単分子膜厚のペプチドによるパターニング技術は存在しなかった。

新技術の特徴

・固体基板上に稠密に規則正しく並ぶペプチドで、光架橋するものは開発されていない。
・その他、ポリマーに比べて、タンパク質等のバイオ分子との親和性が高い。
・触媒活性や免疫機能などのある酵素タンパク質の活性を高く保つために、その配置を分子レベルで制御することが可能

想定される用途

・バイオセンサーなどの表面の修飾とそのパターニング

  • 製造技術

7)窒素中心ラジカル種の光触媒的発生と1,2-アミノアルコール合成への利用

東京工業大学 資源化学研究所 有機資源部門 助教 小池 隆司

新技術の概要

窒素中心ラジカルを汎用的に発生する方法は非常に限られている。本技術は、取り扱い易く合成容易な窒素中心ラジカル前駆体から光触媒作用によって窒素中心ラジカルを簡便に発生するものである。さらにアルケンから位置特異的に1、2−アミノアルコールを合成できる。

従来技術・競合技術との比較

窒素中心ラジカルの発生方法として汎用性がある。また、アルケンから直接1、2−アミノアルコールを得る著名なSharplessの方法と異なり、毒性の高い触媒を使わず位置特異的にアミノアルコールが得られる特徴がある。

新技術の特徴

・窒素中心ラジカルの反応性を活かした有機・無機材料表面への窒素原子導入反応
・光照射をマスキングすることで材料表面でのアミノ化のパターニング
・窒化物合成の前駆体

想定される用途

・1、2−アミノアルコールの医農薬品への利用
・合成の最終段階でのアミノ化技術
・1、2−ジアミン合成技術

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 環境

8)ファイバー像反射型走査機構を備えたハイパースペクトル観測装置

東京工業大学 イノベーション研究推進体 付加価値リモートセンシング研究推進体 特任教授 小杉 幸夫

新技術の概要

本装置では、対物レンズ系から得られた画像がファイバー束で反射型の走査機構に導かれスキャンされた場所の光が再びファイバーを介して、マイクロ分光器列に導かれ、ハイパースペクトル画像が取得される。

従来技術・競合技術との比較

従来ラインセンサに機械的走査機構を付加して2D像を得る場合、ミラーへの入射光軸と反射光軸は異なっていたが、本反射型走査機構では両光軸がほぼ平行で線形性が良くコンパクトで、装置動揺相殺制御も可能である。

新技術の特徴

・マイクロミラーの制御系にフィードバックをかけることで、観測機器の動揺をキャンセルできる。
・フレキシブルなファイバー束から入力される画像のハイパースペクトル解析が可能
・低価格小型、シンプルな機構でハイパースペクトル画像の取得が可能

想定される用途

・航空機搭載リモートセンシング
・医療用ハイパースペクトル内視鏡
・食品中の異物検査

関連情報

・外国出願特許あり
・展示品あり(現在、CRESTで使用中の観測装置を展示)

  • 環境

9)簡便で安全な二酸化炭素の発生器:蚊取器や植物工場への応用

東京工業大学 大学院理工学研究科 材料工学専攻 准教授 宮内 雅浩

新技術の概要

光触媒を用い低コストで安全にCO2を生成する装置を開発した。この装置により、蚊の誘引や植物工場での野菜の生育促進など、様々な機能商品に応用することができる。

従来技術・競合技術との比較

光触媒はこれまで有機物を分解する環境浄化触媒として利用されてきたが、本発明は分解生成物であるCO2に注目した発想の転換から生まれた。従来技術であるドライアイスやCO2ガスボンベよりも、低コストで安全にかつ長時間安定して運転することができる。

新技術の特徴

・シンプル、低コスト:光触媒、有機物の供給、ランプの簡便なシステムのため、低コストで長時間安定してCO2を供給可能
・殺虫剤や農薬などの化学薬品を使わないので、安全・安心
・追加機能(脱臭、空気浄化)も訴求できる。

想定される用途

・蚊取器
・植物工場での生育促進

関連情報

・外国出願特許あり

  • デバイス・装置

10)長寿命・メンテナンスフリーを目指したベアリングレスファンの研究開発

東京工業大学 大学院理工学研究科 電気・電子工学専攻 助教 杉元 紘也

新技術の概要

冷却ファンは、機械的ベアリングにより寿命が制限され、特に60℃以上の高温環境では、寿命は著しく減少するため、早期の交換を余儀なくされている。モータと磁気軸受を一体化したベアリングレスモータをファンモータに応用することで、回転子を非接触で磁気支持しながら回転させることができるため、機械的ベアリングが不要となり、長寿命・メンテナンスフリーが期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のベアリングレスモータは、能動的な制御軸数が多く、インバータやセンサの数が多かったため、高コストであった。一方、提案システムは、能動的な制御軸数が少なくて済むため、インバータやセンサの数が少なく低コストである。さらに、モータ構造は、磁気支持性能を高く保ちながら、トルク密度は市販の冷却ファンモータとほぼ同等であり、革新的構造である。

新技術の特徴

・非接触モータ
・機械的ベアリングが不要なモータ
・回転機、リニアアクチュエータ、磁気軸受が磁気的に融合されたモータ

想定される用途

・冷却ファン
・ブロア

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

国立大学法人東京工業大学 産学連携推進本部

TEL:03-5734-7638FAX:03-5734-7694
Mail:sangakuアットマークsangaku.titech.ac.jp
URL:http://www.sangaku.titech.ac.jp/index.html
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top