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ライフサイエンス~医療系大学~ 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年12月11日(木) 10:00~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、札幌医科大学、
東京科学大学、聖マリアンナ医科大学、福岡大学、
福島県立医科大学、旭川医科大学、日本医科大学、
産業医科大学、MPO株式会社

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発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 医療・福祉

1)抗MOG抗体関連疾患のバイオマーカーとして用いるSLAMF6

札幌医科大学 医学部 内科学講座神経内科学分野/免疫学研究所免疫制御医学部門 
診療医 種本 真将

新技術の概要

抗MOG抗体関連疾患(MOGAD)は治療法が大きく異なるという点で、多発性硬化症(MS)との鑑別が重要である。今回、我々は脳脊髄液中細胞外小胞に含まれるSLAM family member 6 (SLAMF6)がMSとMOGADを発症時に鑑別する上で有効である事を発見した。

従来技術・競合技術との比較

現在のMOGADの診断には、自己抗体を生きた培養細胞を用いて測定する事が必要であるが、弱陽性であったり、脳脊髄液中でのみ陽性である場合の意義が確立されていないなどの課題が残る。SLAMF6はMS患者との鑑別に高い感度・特異度をもって有効であるだけでなく、疾患重症度とも関連しており、診断から治療中の病態を反映するバイオマーカーとしての有用性が期待される。

新技術の特徴

・脳脊髄液中細胞外小胞から検出されたSLAMF6は感度90%、特異度86%でMOGADとMSを判別した
・SLAMF6は中枢神経内のガンマグロブリン産生の指標であるIgG indexと強く正に相関し、これはその他の炎症性脱髄疾患では認められなかった
・SLAMF6は疾患重症度、血液脳関門の破綻の指標、重症脊髄炎の有無と関連し、病勢を反映することが示唆された

想定される用途

・MOGADの診断で自己抗体検査の補助項目として使用する
・病勢バイオマーカーとして用い、治療薬の種類や用量を適正化する
・将来的に分子標的薬などの治療適用が得られた場合、その対象とすべき疾患活動性の高い症例の抽出に用いる

  • 10:30~10:55
  • 創薬

2)造血細胞移植後治療抵抗性ウイルス感染症に対する、新たな第三者由来ウイルス特異的T細胞療法の開発

東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻・生体環境応答学講座 発生発達病態学分野 講師 神谷 尚宏

新技術の概要

造血細胞移植後の免疫抑制下で再活性化する難治性ウイルス感染に対し、抗ウイルス薬の限界を克服するため、我々は4つの改良を組み込んだ独自プロトコルにより、第三者由来ウイルス特異的T細胞(VST)を効率的かつ大量に培養する方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

本技術によりVSTは平均2000倍増幅(従来10–100倍)、抗原特異性70〜90%(従来20〜30%)を達成し、強い抗ウイルス活性と低アロ反応性を示した。さらに必要血液量は約200mL→約10mL、容器コストも数千万円→数十万円へ大幅削減した。

新技術の特徴

・培養時のサイトカインの組み合わせ
・培地組成の改良
・二種類の抗原提示細胞の調製

想定される用途

・造血細胞移植後並びに先天性免疫異常症の治療抵抗性ウイルス感染症に対する細胞療法
・がんなど感染症以外の疾患に対するウイルス特異的T細胞療法
・新興ウイルス感染症など、新たな治療抵抗性ウイルス感染症に対する細胞療法

  • 11:00~11:25
  • 医療・福祉

3)振動刺激によるうつ病治療システム

聖マリアンナ医科大学 医学部 生理学 講師 藤原 清悦

新技術の概要

抗うつ剤の治療効果が低い「治療抵抗性うつ病」に対する新たな治療機器として、頚部振動刺激装置を考案した。基礎研究として、治療抵抗性うつ病のモデル動物である、WKYラットの頚部に対して振動刺激を慢性的に印加したところ、無印加の動物と比較して、うつ様行動の指標が有意に低下した。

従来技術・競合技術との比較

現在、治療抵抗性うつ病の治療には反復経頭蓋反復磁気刺激(rTMS)、修正型電気けいれん療法(ECT)が使用されているが、患者の精神的、身体的負担が比較的重いことが問題である。本発明は、通常の振動感覚刺激を用いてうつ症状を改善させる効果があるため、従来技術と比較して、患者の負担が大幅に軽くなる可能性が高い。

新技術の特徴

・小型
・低コスト
・非侵襲

想定される用途

・ヒト用うつ病治療装置
・ヒト用リラクゼーション装置
・動物用ストレス緩和装置

  • 11:30~11:55
  • 創薬

4)100ナノの泡が体内に薬を運ぶ:ウルトラファインバブルによる次世代の遺伝子デリバリー

福岡大学 医学部 医学科 教授 貴田 浩志

新技術の概要

直径100nmの脂質殻のウルトラファインバブルの高濃度生成技術である。ウルトラファインバブルに低分子化合物や遺伝子を搭載可能で、超音波と組み合わせて、身体の標的部位の造影や薬剤を送達する技術に使用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来は直径2~3μmのマイクロバブルが主流であり、ウルトラファインバブルの生成は用手的で効率が低かった。また既存のアルブミン殻のウルトラファインバブルでは表面修飾が困難であった。本技術は脂質殻により高濃度で均一なバブルを生成でき、表面修飾や長期保存も可能である。

新技術の特徴

・直径100nm前後の均一なウルトラファインバブルを高濃度で生成可能
・脂質殻により薬剤・遺伝子搭載や表面修飾が容易
・凍結乾燥による長期保存が可能で、再水和で簡便に利用できる

想定される用途

・診断用の超音波造影剤
・薬剤や遺伝子のデリバリーシステム
・水処理や食品・化粧品など産業分野への応用

関連情報

サンプルあり
デモあり
展示品あり

  • 13:00~13:25
  • 創薬

5)自己免疫性肝炎診断における新規自己抗体-抗DOK2抗体の発見

福島県立医科大学 医学部 消化器内科学講座 准教授 阿部 和道

新技術の概要

網羅的ヒトタンパク質マイクロアレイ解析によりAIH特異的自己抗体抗DOK2を同定。血清で高診断能を示し、肝Kupffer細胞に発現。AIH診断・病態解明に資する新規マーカーとして期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来の自己抗体(ANA、 ASMAなど)は特異性が低く診断に限界があった。本技術は網羅的マイクロアレイ解析により高診断能の抗DOK2抗体を同定し、他疾患との差別化を可能とした。

新技術の特徴

・網羅的探索技術:16,000種以上のヒトタンパク質マイクロアレイを用いたAIH自己抗体スクリーニングで得られた
・高い診断能:抗DOK2抗体はAIH血清で特異的に高値を示し、感度・特異度ともに優れた新規バイオマーカー
・病態関連性の証明:肝Kupffer細胞に発現を確認し、病態解明に直結する分子基盤を提示

想定される用途

・診断補助:従来の自己抗体と組み合わせることでAIHの早期・確定診断精度を向上。ELISAキット化で早期測定
・病態評価:抗DOK2抗体値とIgGや肝組織Activityの関連を利用し、疾患活動性の指標として応用
・新規治療標的探索:Kupffer細胞発現を踏まえ、免疫制御機構の解明や分子標的治療の候補に展開

  • 13:30~13:55
  • 医療・福祉

6)神経膠腫のMRI画像からメチオニンPET画像を生成するためのプログラム

旭川医科大学 医学部 医学科 教授 木下 学

新技術の概要

膠芽腫は脳に発生する悪性腫瘍であり、MRI画像を元に治療を計画する。しかし、MRI画像は病変の広がりを十分に可視化できない。アミノ酸PETは膠芽腫の可視化に優れているが、高額であり運用面に制限がある。この問題を解決するために、新技術はMRI画像から擬似的なアミノ酸PET画像を生成するものである。

従来技術・競合技術との比較

新技術は既に広く普及している通常のMRIで、薬価が344,867円と高額であるアミノ酸PETと同等の情報を膠芽腫の診療現場に提供できる。さらに、新規開発した画像処理技術によって、既報の類似技術に対して擬似的なアミノ酸PET画像の生成精度が向上している。

新技術の特徴

・ある種の放射線画像から他種の画像を生成する

想定される用途

・がん診療

関連情報

デモあり

  • 医療・福祉

7)【発表中止】見逃されてきたHPV陰性腺癌も検出可能な全頸癌一括検出技術

関西医科大学 医学部 病理学講座 講師 野田 百合

  • 14:30~14:55
  • 医療・福祉

8)受動喫煙に起因する小児肥満の予防又は治療剤

福島県立医科大学 医学部 糖尿病内分泌代謝内科学講座 教授 島袋 充生

新技術の概要

小児期の受動喫煙や能動喫煙は、小児肥満や成人以降の肥満を増やし、肥満関連健康障害を起こす。本発明者は γ‐オリザノール が、ニコチンに継続的に曝露された小児に生じる過食及び肥満の予防や治療に有用であることを見出した。すなわちγ‐オリザノールは、小児期のニコチン曝露、特に受動喫煙に起因する小児肥満の予防又は治療剤、及び予防又は治療用組成物になりうる。

従来技術・競合技術との比較

γ‐オリザノール は、米糠に含まれる成分で安全性が高く製品化も比較的容易である。γ‐オリザノール を含有する医薬品組成物、食品組成物は、生活習慣病、特に肥満に起因する健康障害を予防する効果をもつと期待される。特にこれまで皆無であった、小児期の受動喫煙に起因する小児肥満の予防又は治療効果を示す点で有用である。

新技術の特徴

・安全性が高い
・製品化、製剤化コストが低い
・肥満予防あるいは治療効果が動物実験、ヒトで証明されている

想定される用途

・γ‐オリザノールを有効成分として含む、胎児期及び/又は14歳以下の小児期におけるニコチン曝露(受動喫煙)によって惹起される過食を抑制する、肥満の予防又は治療剤
・γ‐オリザノールを有効成分として含む、胎児期及び/又は14歳以下の小児期におけるニコチン曝露によって惹起される過食を抑制する、肥満の予防又は治療用医薬組成物
・γ‐オリザノールを有効成分として含む、胎児期及び/又は14歳以下の小児期におけるニコチン曝露によって惹起される過食を抑制する、肥満の予防又は治療用食品組成物

関連情報

サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • 医療・福祉

9)機械学習を精密手術に役立てるための製品開発

日本医科大学 付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 准教授 梅澤 裕己

新技術の概要

手術中の画像・映像のAI分析を行い、血管の状態等をリアルタイムで診断し、血管吻合の補助となるアプリケーション。血管吻合で注意すべき次の4点をリアルタイムで表示する。
(1)血管断端の識別
(2)血管内膜のコンディションの把握
(3)血管内の血栓の有無
(4)血管周囲の血栓形成因子物質の有無

従来技術・競合技術との比較

血管吻合にフォーカスしたアプリであり、血管の損傷や血栓の有無を自動検出し、適切な処置を促すため、熟練した術者であっても判断に迷いが生じるようなケース、あるいはまだ熟練していない術者では有効な補助ツールとなるため手術時間の短縮とともに安全性の飛躍的な向上が見込まれる。

新技術の特徴

・学習済みのデータを用いてリアルタイム推論を行い、実際の手術や作業中の見落としがちなポイントについて注意喚起することで、長時間の集中力持続を求められる手術中の術者の疲労を軽減し、うっかりとした見落としを防ぐことが可能
・現在の精度で、直径1mm~2mmという小さな血管の中にあるゴミなどの検出もできていることから、微小構造物に対してのリアルタイム検出ができ、脳外科、耳鼻科、心臓外科、移植外科の分野などにも応用ができる
・学習済みデータの種類を入れ替えることにより、リンパ組織や神経組織の吻合などにも応用できる

想定される用途

・手術の成功率、安全性を高めることのできる、手術中のサブモニターに推論を映し出し術者及び助手に対して注意喚起を行うアプリケーション
・レジデント教育及び医学生教育における、リアルタイムに注意喚起がなされることによりきめ細やかな手術の機微について教育することができるアプリケーション
・リアルタイムに注意喚起を行いつつ、その時点での新たな手術情報も機械学習にフィードバックすることにより安全性をより高めることができるアプリケーション

関連情報

サンプルあり
デモあり

  • 15:30~15:55
  • 医療・福祉

10)高精度なピーク検出とノイズ除去によるウェアラブル信号解析

産業医科大学 産業保健学部 人間情報科学 講師 黒坂 知絵

新技術の概要

本技術は、心電図や脈波波形などの生体信号から、心拍数や脈拍数のもととなるピークを検出する新規のアルゴリズムである。本技術をウェアラブルデバイスなどに組み込むことで、ノイズを含んだ不安定な波形からでも、解析区間に応じてほぼリアルタイムで高精度にピークを検出し、検出結果の妥当性をユーザーに示すことが可能になる。

従来技術・競合技術との比較

生体信号のピーク検出には、従来から閾値設定やパターン認識による手法が多く用いられており、確率分布を活用したノイズ処理も提案されている。しかし、市販のウェアラブルデバイスに搭載されている前処理や特徴量抽出は、多くがブラックボックスとなっているためユーザーは妥当性の評価ができない。

新技術の特徴

・二峰性など誤検知の多い波形に対しても高い精度でピークを検出可能
・基線変動の多い不安定な波形に対してもピークを検出可能
・ノイズ処理に応じて、検出結果の妥当性を提示可能

想定される用途

・医療・産業・ヘルスケア分野:ウェアラブルデバイスで取得した生体信号解析と健康状態、安全管理やリスク監視のリアルタイムモニタリング
・スポーツ・フィットネス分野:運動・動作中の生体信号解析とパフォーマンスのモニタリング
・在宅医療や労働環境など、波形にノイズを含みやすい環境下での生体信号解析

関連情報

サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

札幌医科大学 附属研究連携推進機構
TEL:011-611-2111 
Mail:chizaiアットマークsapmed.ac.jp
URL:https://web.sapmed.ac.jp/ccci/

東京科学大学 医療イノベーション機構
TEL:03-5803-4736 
Mail:openinnovation.tloアットマークtmd.ac.jp
URL:https://tmdu-oi.jp/

聖マリアンナ医科大学 知財事業推進課
TEL:044-977-8111 
Mail:chizaiアットマークmarianna-u.ac.jp
URL:https://sites.google.com/marianna-u.ac.jp/chizai-center

福岡大学 研究推進部 産学知財課
TEL:092-871-6631 
Mail:sanchiアットマークadm.fukuoka-u.ac.jp
URL:https://www.sanchi.fukuoka-u.ac.jp/sangakukan/index.html

福島県立医科大学 医療研究推進課
TEL:024-547-1791 
Mail:liaisonアットマークfmu.ac.jp
URL:https://www.fmu.ac.jp/

旭川医科大学 知的財産センター
TEL:0166-68-2182 
Mail:rs-sr.gアットマーク@asahikawa-med.ac.jp
URL:https://www.asahikawa-med.ac.jp

日本医科大学 知的財産推進センター
TEL:03-5814-6637 
Mail:nms-tloアットマークnms.ac.jp
URL:https://tlo.nms.ac.jp/

産業医科大学 研究支援課
TEL:093-280-0532 
Mail:chizaiアットマークmbox.pub.uoeh-u.ac.jp
URL:https://www.uoeh-u.ac.jp/industryCo.html

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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