神奈川工科大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年10月07日(火) 10:00~11:55
会場:オンライン
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、神奈川工科大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 機械
1)フリーピストンを用いた可変圧縮比システム(スターリングエンジンの出力制御システム)
神奈川工科大学 工学部 機械工学科 教授 佐藤 智明
新技術の概要
シリンダー内ピストンの上部あるいはシリンダー外部部屋を設け空気を挟む形でフリーピストンを配置する。パワーピストンが空気を圧縮する方向に移動すると、フリーピストンがその圧力に押されて同方向に移動するため、その間は空気を圧縮することができない。フリーピストンの移動ストロークをアジャスターによって調整することで任意の圧縮比を得ることができる。
従来技術・競合技術との比較
これまでのスターリングエンジンは、外燃機関であるため、瞬時の加熱量の制御が難しく、出力のリアルタイムコントロールが難しかった。本方式の制御はフリーピストンの可動ストロークをアジャスターで調整することで瞬時に圧縮比を変化させることができる。このため出力をリアルタイムにコントロールすることができる。
新技術の特徴
・スターリングエンジンのリアルタイム出力コントロールが可能
・従来の摩擦抵抗で出力低下させたりするような効率を犠牲にせずに出力制御が可能である(制御過程で熱効率は変化しない)
想定される用途
・これまでのスターリングエンジンはリアルタイムでの出力コントロールが難しく、乗り物などの動力には不向きだったが、乗り物用の動力としても利用可能である
・スターリングエンジンだけでなく、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの圧縮が必要なエンジンであれば適用可能
・熱機関だけでなく、冷凍・ヒートポンプサイクルにおいても運転中にコンプレッサーの圧縮比をコントロールしたい場合(冷凍能力を制御したい場合)は適用可能
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
- 10:30~10:55
- 創薬
2)うがい薬の成分ががん細胞の転移や悪性化を抑える
神奈川工科大学 工学部 応用化学生物学科 教授 井上 英樹
新技術の概要
うがい薬などの抗炎症剤として上市されているグアイアズレンが細胞の剥離と移動を抑制することを見出した。グアイアズレンおよびその誘導体が、がん細胞剥離と移動を抑制することで、その浸潤及び転移を抑制することのできる毒性の低い抗癌剤として利用可能であると考えられる。
従来技術・競合技術との比較
抗癌剤はがん細胞を死滅させることを主眼としたものが多いため、本技術と併用することでより効果の高いがん治療ができる可能性がある。グアイアズレンは抗炎症剤として皮膚外用薬や含嗽剤として一般的に使用されているため、皮膚がんや口腔がんへの利用が期待できる。
新技術の特徴
・細胞の移動を抑える
・がん細胞の悪性化(間葉化)を防ぐ
想定される用途
・がん転移抑制剤
・がん悪性化防止剤
・同様な目的のための、より効果のある化合物合成の基礎材料
- 11:00~11:25
- 情報
3)時系列情報予測のためのオンプレミス エンコーダ・デコーダ モデル
神奈川工科大学 工学部 電気電子情報工学科 教授 広井 賀子
新技術の概要
因果関係の結果が現れている時系列データを中心に、学習内容に基づき将来の状態遷移を予測するエンコーダ・デコーダモデルを開発。スタンドアロンで機能するため、外部に情報を漏らす心配がないという特徴を持つ。
従来技術・競合技術との比較
従来長期の状態遷移予測は行う仕組みがなかった。また言語モデルは言語以外のベクトルを渡しても精度にかける予測しかできないとされてきた。本技術は言語以外の情報を学習し、学習内容に基づいて、現在の状態から入力情報より長期にわたる複雑な将来の状態を予測する機能を持つ。
新技術の特徴
・エンコーダ・デコーダの性質を利用し、学習内容に準拠したデータの生成を行う
・長文脈推定深層学習機がベースとなっている
・入力パラメータ数を増やすことができる
想定される用途
・動物・移動機器の複雑な軌跡予測
・人間行動予測
・健康状態推移の予測
関連情報
・デモあり
- 11:30~11:55
- 機械
4)人間の踏力を最大化する高効率リカンベント自転車
神奈川工科大学 情報学部 情報システム学科 教授 高尾 秀伸
新技術の概要
人間工学的な実験検討の結果、人間の下肢伸展力が最も高いポイントでペダル踏力を発揮可能な、高効率人力駆動装置の開発に成功した。本装置は、従来の自転車に装備されているクランク・ペダル駆動方式に比べて約1.5倍もの高効率化が見込める。
従来技術・競合技術との比較
本装置は、以下の3つの特長を備えている。
①人間の下肢伸展軌跡に沿った自然なペダリングが可能
②人間の最大下肢伸展力を発揮する姿勢でペダリングが可能
(従来方式に比べて約1.5倍もの高効率化が見込める)
③チェーンに直接ペダルを接続する機構により、ペダル位置に関わらず、ペダリング効率の低下が起きない
新技術の特徴
・人間の下肢伸展力を最大発揮可能なこと(高速)
・エネルギー消費効率が高いこと(低負担)
・体格の個人差に適応可能なこと(多様性)
想定される用途
・移動
・運搬
・リハビリ、健康増進
関連情報
・展示品あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
神奈川工科大学 研究推進機構
TEL:046-291-3304
Mail:liaison
kait.jp
URL:https://www.kait.jp/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scett
jst.go.jp





