JST戦略的創造研究推進事業 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年09月19日(金) 09:55~13:55
会場:オンライン
参加費:無料
主催:科学技術振興機構
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
科学技術振興機構 戦略研究推進部 調査役 内田 信裕
- 10:00~10:25
- 環境
1)微生物と電気化学操作によるステンレスからの有用金属回収
海洋研究開発機構 超先鋭研究開発部門 超先鋭研究開発プログラム 主任研究員 若井 暁
新技術の概要
深海由来微生物の培養物にステンレス鋼を入れ、電圧を印加することでステンレス鋼の溶解反応を生じさせ、制御する電圧によって回収したい有用金属(NiあるいはCr)を回収する技術を開発しました。不要なステンレス廃材から電池分野で利用可能なNiを回収することに加えて様々な利用方法が期待されます。
従来技術・競合技術との比較
ステンレス鋼に過剰に電圧を印加することで溶解させることは以前から可能でしたが、微生物反応を組み合わせることで小さな印加電圧(数10mV)でステンレス鋼の溶解が可能であり、印加電圧を変えることで回収したい金属を変えることが可能です。
新技術の特徴
・印加電圧を変えることで回収できる金属元素を変えることができる
・材料側を適切にマスクすることで金属表面にパターニングが可能
・ゲル中でも反応が可能
想定される用途
・ステンレス廃材からの有用金属元素の回収
・マスキングと組み合わせた微細加工
・ステンレス構造物の省エネルギー型解体
- 10:30~10:55
- 材料
2)剛直-柔軟、親水-疎水など相反する性質を切替え可能な高分子
東京科学大学 物質理工学院 応用化学系 助教 高橋 明
新技術の概要
本技術は、使用中は優れた熱・力学物性を示し、しかし使用後は優れた加工性を示す、物性とリサイクル性を両立した高分子材料の開発を可能とします。また、ある限定的な条件下でのみ水に溶解する高分子も本技術で設計でき、例えば界面活性剤フリーの水系樹脂の開発などに応用できます。
従来技術・競合技術との比較
エンジニアリングプラスチックなどの高性能高分子はリサイクルが困難なのが常でしたが、本技術がもたらす高分子は優れた物性とリサイクル性の両立を可能にします。また、従来の水系樹脂は成膜特性と耐水性がトレードオフの関係でしたが、本技術はそれらの両立を可能にします。
新技術の特徴
・相反する性質(剛直-柔軟、親水-疎水)を材料に同時に付与
・様々な種類の高分子へ適用可能
・市販原料からの合成が容易
想定される用途
・耐熱部品
・接着剤
・コーティング剤
関連情報
・サンプルあり
・展示品あり
- 11:00~11:25
- 材料
3)原子拡散を駆使した純金属ナノワイヤの高密度生成
九州大学 大学院工学研究院 機械工学部門 准教授 木村 康裕
新技術の概要
原子拡散と呼ばれる固相中での原子輸送現象を利用して、高品質な金属ナノワイヤを基板に自立成長させる技術である。基板上の任意箇所に直径100 nm程度でアスペクト比が100を超える単結晶Alナノワイヤを高密度に成長させることが可能であり、ナノ・マイクロデバイスの次世代構成材料としての応用に向けた生産技術を提供する。
従来技術・競合技術との比較
1次元ナノ材料であるナノワイヤは、Siに代表される半導体やCuOに代表される金属酸化物などは広く普及しているが、Alのような純金属ナノワイヤの安定製造技術が存在しなかった。従来報告されている半導体や金属酸化物のナノワイヤと異なり、金属特有の電気・熱・光伝導性を活用できる点に特徴がある。
新技術の特徴
・長さと直径の比であるアスペクト比が100を超える1次元金属ナノ構造体である金属ナノワイヤを製造でき、基材表面積を増大させる
・高密度に、かつ狙った個所に金属ナノワイヤを自立成長できる
・化学還元反応を用いない物理的なボトムアップ成長である
想定される用途
・プラズモニックアプリケーション
・センシングデバイス
・フィラー材
- 11:30~11:55
- 材料
4)廃棄硫黄を活用した機能性材料の創出
大阪大学 大学院理学研究科 高分子科学専攻 助教 小林 裕一郎
新技術の概要
本技術は、室温・水中で合成可能な新規硫黄ポリマー合成法である。従来の高温重合とは異なり、逐次重合法を用いることで環境負荷を低減しつつ、構造が明確で高機能なポリマーを自在に設計・大量生産できる。
従来技術・競合技術との比較
従来は高温(約180℃)での連鎖重合により硫黄ポリマーが合成されていたが、その合成時の環境負荷の高さに加え、構造が不明瞭で社会実装が困難であった。本技術は逐次重合の概念を取り入れることにより、構造が明瞭な硫黄ポリマーの室温・水中合成を達成した。構造制御された硫黄ポリマーを低環境負荷で合成できる点で優れている。
新技術の特徴
・廃棄硫黄の有効利用による高GSC適合性
・構造明確なテーラーメードポリマーを設計可能
・室温・水中での硫黄ポリマー合成が可能
想定される用途
・高性能ゴム材料
・電池材料
・自己修復性材料
関連情報
・サンプルあり
- 13:00~13:25
- 計測
5)構造相同性の高い類縁体・異性体分子群の簡易識別・モニタリング
産業技術総合研究所 健康医工学研究部門 研究グループ付 南木 創
新技術の概要
本技術では、集合構造の制御によって交差応答性が調節された分子集積体を固液界面(FETやSPRなどのデバイス上)に直接並列化・固定化し、この並列化・固定化された分子集積体上で生じる構造類縁体・異性体との多変量の分子間相互作用をパターン解析することで、これら化合物群の簡易識別が可能な分子センサを提供する。
従来技術・競合技術との比較
構造相同性の極めて高い類縁体・異性体分子群を識別するには、分離カラムや酵素による前処理や調製が煩雑な光学プローブが必要であった。本技術は、前処理を要さずに類縁体・異性体の同時識別を達成できる手法や、簡易なセンシング材料の調製戦略を提供するものである。
新技術の特徴
・カラムや酵素による前処理を必要としない類縁体・異性体識別の実現
・設計・合成が煩雑な光学プローブに比べ簡易な材料調製戦略
・類縁体・異性体をオンサイトで識別できる簡易分析技術
想定される用途
・食品のオンサイト品質管理・鮮度モニタリング
・非侵襲なヒト検体を用いた健康状態のモニタリング
・感染症等の重症化リスクの簡易判別
- 13:30~13:55
- 材料
6)1/1000のコストで自己泳動触媒を製造する自励振動マイクロポンプ
広島大学 大学院統合生命科学研究科 数理生命科学プログラム
助教(テニュアトラック) 松尾 宗征
新技術の概要
本技術では、浸透圧で駆動する自動マイクロポンプと当該ポンプを用いた自己泳動触媒の製造を実現している。自動マイクロポンプは自発的に組み上がり、自励振動で自律的にポンピングすることでオタマジャクシ型金属含有微小構造体を自動で製造する。例えば、金属として鉄を含ませ、自己泳動フェントン触媒を低コストで製造することに成功している。
従来技術・競合技術との比較
本技術の自動マイクロポンプは、10 µL程度と極小ながら、エネルギー密度は4×10⁻⁵(J/cm³)と既存アクチュエータに比肩している。当該ポンプは、製造装置としても機能するため、従来技術の約1/1000程度の設備投資で、金属含有微小構造体を生産できる。さらに、当該ポンプは汎用材料から自律的に組み上がるため、安価に製造できる。
新技術の特徴
・浸透圧で駆動するマイクロアクチュエータ
・オタマジャクシ型金属含有マイクロ構造体(フェントン触媒含む)の自動製造
・安全かつ汎用的な無機試薬で実現される生命様の無機膜ダイナミクス
想定される用途
・自己泳動触媒の製造
・水浄化(フェントン処理)の高効率触媒の製造
・知育教育資材
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
科学技術振興機構 戦略研究推進部研究評価グループ
TEL:03-3512-3523
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科学技術振興機構 戦略研究推進部 (さきがけ)
TEL:03-3512-3531
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科学技術振興機構 戦略研究推進部 (ACT-X)
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Mail:act-x jst.go.jp
URL:https://www.jst.go.jp/kisoken/act-x/
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