説明会の
お申込み

京都大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年11月20日(木) 10:00~11:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、京都大学

説明会のお申込みはこちら

<お申込み方法・聴講方法>

聴講をご希望される方は、「説明会のお申込みはこちら」よりお申込みください。

申込受付:開催日前日まで

・お申込み完了後、マイページが設定され「事前登録完了のお知らせ」が届きます。
・メールに従いログインIDとパスワードでマイページへのアクセスをご確認ください。
・開催日前日にマイページより聴講用URLをご案内いたします。
・当日はマイページよりご聴講いただけます。

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 材料

1)グラフェンナノリボンを用いる半導体後工程化学ダイシング

京都大学 エネルギー理工学研究所 エネルギー利用過程研究部門 教授 坂口 浩司

新技術の概要

半導体後工程でウェハからチップを削り取る従来ダイシング技術を駆逐する可能性のある液(気)相系化学ダイシングを可能とする高効率シリコンエッチング炭素触媒、グラフェンナノリボンを開発した。

従来技術・競合技術との比較

既存のダイシング技術では、SAWを用いるブレードダイシングやレーザーダイシングが用いられているが、シリコンの回収率の低さや要切削装置の問題がある。これに対し我々の技術では炭素触媒を堆積させたシリコン部位だけが液(気)相浸漬により効率良く切削でき、低コストと高シリコン回収率を実現できる可能性がある。

新技術の特徴

・化学ダイシング
・液相型シリコン切削触媒
・新炭素素材グラフェンナノリボン

想定される用途

・半導体後工程 シリコンダイシング
・半導体前工程 シリコン深堀

  • 10:30~10:55
  • 材料

2)湿度に可逆的に応答する新規有機-無機ハイブリッド蛍光体の発見

京都大学 大学院理学研究科 化学専攻 教授 山本 隆文

新技術の概要

湿度に可逆的に応答する新規有機-無機ハイブリッド蛍光体を発見した。得られた化合物をガラス板上に塗布し、ブラックライトを当てると組成によって赤色から緑色までの蛍光を示す膜を作成できる。その膜に高湿度の蒸気を当てると蛍光が消え、蒸気を外すと数秒程度で蛍光が回復し、その応答は可逆である。

従来技術・競合技術との比較

湿度で色が変わる化合物として、シリカゲルの添加剤に使われるコバルト塩が有名であるが、応答が遅く、色変化の幅も狭い。今回の物質では、膜の色が変化するだけでなく、ブラックライト照射による発光/消光が高湿度の蒸気によって高速にon/offすることが特徴である。

新技術の特徴

・湿度に、色だけでなく蛍光発光が応答
・高速かつ可逆的に変化
・膜状に塗布できる

想定される用途

・湿度センサー
・環境モニタリング

関連情報

サンプルあり

  • 11:00~11:25
  • 製造技術

3)オンチップ量子センサの量産化に資するガスセル製造技術

京都大学 大学院工学研究科 機械理工学専攻 講師 平井 義和

新技術の概要

オンチップ量子センサ用の超小型アルカリ金属ガスセルを半導体チップのようにウェハレベルで低コストに量産可能とする製造技術。シリコン基板上に形成した三次元ピラー構造と独自の低温・短時間プロセスにより、高安定なガスセルを高精度に作製。成長著しい小型原子時計や磁気・慣性センサなど量子センサ市場への導入を加速。

従来技術・競合技術との比較

従来のガスセル製造は高温加熱や長時間の光照射と量産性に乏しく、ガスセル内の残留ガスによる性能劣化も課題。また固体源をレーザ加熱する手法では、残存源が緩衝ガスを吸脱着して性能が低下。本技術は330℃・10分の低温短時間プロセスでアルカリ金属の生成・封入を実現。構造もシンプルで、信頼性・生産性の両面で競合技術を大きく凌駕。

新技術の特徴

・低温・短時間プロセス(330℃・10分)によるアルカリ金属生成・封入
→ 低コスト・高信頼性の量子センサ部品量産に最適。半導体/センサ製造ラインのプロセス装置との親和性が高い。
・シリコン微細加工を活用したウェハレベル量産
→ 大規模生産による価格低減が可能で、オンチップ量子センサのドローン、自動運転車、通信インフラ、スマートデバイスへの導入を加速。
・高い汎用性(アルカリ金属:Rbだけでなく Cs、 K など多元素対応)
→ 原子時計だけでなく、磁気センサ、慣性センサ、医療向け生体計測用量子センサなど、多様な分野に応用可能。

想定される用途

・小型原子時計:Alt‑PNT(GPSに代わる位置・通信・タイミング)
・原子ジャイロセンサ:モビリティ(自動運転・物流)
・原子磁気センサ:医療・ライフサイエンス

  • 11:30~11:55
  • 医療・福祉

4)頬粘膜の体細胞モザイクを用いた食道・咽頭がん予測モデル

京都大学 医学部 腫瘍内科 講師 横山 顕礼

新技術の概要

近年、がんに関連する遺伝子変異が、正常な細胞においても蓄積することが明らかとなり、「体細胞モザイク」と呼ばれる現象として知られる。我々は、頬粘膜の体細胞モザイクを最新の遺伝子解析技術を用いて高精度に検出することに成功し、この情報をもとに食道がんの有無を高い精度(AUC値0.83〜0.85)で予測できることから、簡便かつ安全なバイオマーカーとして活用できる可能性を示す。

従来技術・競合技術との比較

cfDNAを用いた早期発見技術には高精度な報告があります。一見すると、頬粘膜を用いた本研究の体細胞モザイク解析はそれに劣るように見えますが、モデル構築時に喫煙歴・飲酒歴のある高リスク群を健常者として用いたため、一般的な健常人を対象とすれば精度の向上が期待されます。また、cfDNAはがんの「早期発見」には有用でも、「発がんリスク予測」や「予防」には原理的に使えず、本研究の意義はそこにあります。

新技術の特徴

・固形臓器として世界初の体細胞モザイクを用いた発がん早期予測
・安全・簡便に採取できる
・シーケンス技術の進歩によりさらに高精度になる

想定される用途

・食道がんを含めたアルコール発がんの早期診断
・発がんリスク予測
・最適な飲酒量提案

関連情報

サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

京都大学 成長戦略本部
TEL:075-753-5282 
Mail:ip-workアットマークsaci.kyoto-u.ac.jp
URL:https://iac.kyoto-u.ac.jp

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top