九州工業大学 新技術説明会【対面開催】
日時:2025年12月16日(火) 09:55~14:25
会場: JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、九州工業大学
<お申込み方法・聴講方法>
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
九州工業大学 イノベーション本部 副学長 福本 幸弘
- 10:00~10:25
- アグリ・バイオ
1)DNAナノテクを利用したマイクロRNA検出技術
九州工業大学 大学院情報工学研究院 知的システム工学研究系 教授 中茎 隆
新技術の概要
核酸分子による化学反応系を人工的に設計・合成する技術(DNAナノテク)を利用して、原因由来の特定の塩基配列を持つマイクロRNAを検出する技術について紹介する。
従来技術・競合技術との比較
PCR法などの既存の方法と異なり、核酸分子増幅のために酵素(ポリメラーゼ)を利用しないため幅広い用途に応用できる。また、設計通りに動作するDNA反応系により、例えば、マルチプレックス化への拡張も容易である。
新技術の特徴
・DNAナノテクを利用した検出原理
・酵素を使用しない増幅原理
・マルチプレックス化への拡張が容易
想定される用途
・癌細胞由来のマイクロRNAをターゲットとすることで、癌リスク診断キットへの応用が可能
・動植物の病害由来のマイクロRNAをターゲットとすることで、農業、畜産分野における病害の早期診断キットへの応用が可能
- 10:30~10:55
- 情報
2)視界不良現場を可視化するための画像処理技術
九州工業大学 大学院情報工学研究院 情報・通信工学研究系 准教授 李 旻哲
新技術の概要
本技術は、霧や煙など視界不良時の撮影画像から、散乱媒体の影響を低減し可視化する画像処理技術である。光学的な空間周波数調節と統計的手法で散乱を除去し、更に深層学習で映像を分析・認識することで、物体の位置を可視化・把握できる。
従来技術・競合技術との比較
従来技術と他の技術に比べ、周波数領域で霧情報のみを抽出し、色歪みや輪郭の崩れを大幅に抑制する。アルゴリズムが霧濃度を自動判別するためユーザーによる調整が不要である。ディープラーニングを除き、晴天時でも色を歪ませることなく使用できる高い汎用性を持つ。
新技術の特徴
・光学・統計的手法による画像の鮮明な可視化
・深層学習(AI)による物体認識
・多様な分野に応用可能な基盤技術
想定される用途
・自動運転・輸送システムの安全確保
・防災・災害救助現場での状況把握
・インフラ・重要施設の監視と警備
関連情報
・デモあり
- 11:00~11:25
- 情報
3)深層学習を用いた切り花の品質管理手法の開発
九州工業大学 大学院工学研究院 基礎科学研究系 准教授 井上 雅世
新技術の概要
深層学習を用い、切り花の画像から観賞可能期間や品質変化を予測する技術を開発した。購⼊後の品質予測に基づいた商品選定ができることで、品質に対する疑問や問題の発⽣を防止することができ、消費者の信頼を⾼めることにつながる。また、販売側においては、品質の悪化が予期される製品を事前に特定し、適切な対応をとることが可能となる。
従来技術・競合技術との比較
スマート農業など、収穫時における果菜のサイズや規格を精度よく予測する技術はあったが、収穫後の切り花の劣化(枯れる)度合いなどを予測する技術はこれまでなく、新しい技術となる。
新技術の特徴
・経験に基づく品質評価をAIが代行できる
・定量的な基準ではなく、定性的な指標に基づいた品質評価を自動化できる
・スマホで撮影した画像だけで、手軽に品質評価ができる
想定される用途
・花販売店での商品管理
・花のサブスクリプションおよび通信販売での品質保証
- 11:30~11:55
- 通信
4)モード分割多重伝送による有線通信の大容量化・省線化の実現
九州工業大学 イノベーション本部 特任教授 福本 幸弘
新技術の概要
モード分割多重伝送方式は、1本のケーブルの中で異なる複数の伝わり方(固有モード)を使って同時に複数の信号を送る手法である。信号伝搬に伴うチャネル間のクロストークノイズの発生がなく長距離高速伝送が可能である。
従来技術・競合技術との比較
1チャネルあたり2本の信号線が必要な差動伝送に比べて約半分のワイヤー数で信号の送受信が可能となる。さらに、ケーブルのシールド導体を除去することにより、チャネル数は減るものの、さらなる省線化が可能となり通信システムの軽量化を達成する。
新技術の特徴
・差動通信に比べて高い信号線使用率
・長距離伝送可能なクロストーク(漏話)レス通信方式
・通信ケーブルの省線化・軽量化
想定される用途
・自動車内の高速有線配線(車載Ethernet)
・ロボットのアクチュエータ制御信号やセンサー収集のための有線通信
・プリント回路基板内部の高速配線
- 13:00~13:25
- 医療・福祉
5)人工筋肉とIMUセンサを用いた自己誘発的歩行支援システム
九州工業大学 大学院生命体工学研究科 人間知能システム工学専攻 教授 柴田 智広
新技術の概要
本技術は、下腿部に装着された運動を計測するセンサとそのセンサ情報を元に下腿部を牽引するもので、軽量かつ装着が容易で、高度な歩行認識センサーシステムを有する歩行アシスト装置を実現する技術である。一例としてパーキンソン病や進行性核上性麻痺などのすくみ足などに効果が期待できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の技術では、足の甲や足裏の動きをセンサで取得するものや筋電位センサと人工筋肉を用いて歩行動作を支援するものなどがあったが、どれも装着や設置が難しく、またセンサーとアシスト装置が一体でないものが多い。我々の技術を活用することで、非常に軽量で装着が容易なアシスト装置が設計可能となる。
新技術の特徴
・人工筋肉によるアシスト
・慣性(IMU)センサを用いた動作認識
・自己誘発的な力覚的刺激が可能
想定される用途
・歩行のアシスト装置として
・歩行の認識・評価
・運動の学習
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
- 13:30~13:55
- 情報
6)利用者属性を考慮した予約・送迎スケジュールシステム
九州工業大学 大学院情報工学研究院 知能情報工学研究系 教授 斎藤 寿樹
新技術の概要
送迎サービスを提供する各種事業者向けに、予約と同時に送迎スケジュールを自動生成する技術を提供する。利用者やスタッフの属性、相性、過去の対応履歴などを考慮したアルゴリズムにより、効率性と柔軟性を両立した送迎計画を実現する。事業者の運用負荷を軽減し、サービス品質の向上にも貢献する。
従来技術・競合技術との比較
従来の配送計算手法は到着時刻や最適経路の算出に特化しており、運搬対象の属性は考慮されていない。これに対し、過去の送迎スケジュール履歴を活用し、対象の属性に基づく内在的な制約を抽出することで、従来技術では捉えきれなかった現実的な条件を反映した計画が可能となる。
新技術の特徴
・利用予約とともに送迎スケジュールを生成するシステム
・利用者の属性を考慮した送迎スケジューリング
・過去の利用履歴に基づくスケジューリング
想定される用途
・送迎サービスを持つ福祉事業施設における送迎スケジュール
・幼稚園、小学校等のバスの送迎経路
・乗り合いタクシーの予約システム
関連情報
・デモあり
- 14:00~14:25
- アグリ・バイオ
7)半導体加工技術により製作した両面微小電極アレイデバイスが医療・創薬を高度化する
九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻 教授 安田 隆
新技術の概要
多数の微小貫通孔を設けた培養膜の両面に微小電極アレイを配し、膜両面に2種類の細胞をそれぞれ培養することで、微小貫通孔を介して両細胞の相互作用を確保しながら、両細胞の電気的信号を同時にかつ分離して多点で計測し、両細胞の相互作用を解析することが可能なデバイス及び方法を提供する。
従来技術・競合技術との比較
基板表面に微小電極アレイを形成した従来技術では、2種類の細胞の電気的信号が混在して計測され、各信号を分離できない。多数の微小貫通孔を設けた培養膜の片面のみに微小電極アレイを形成した従来技術では、電極形成面上の細胞の電気的信号を裏面の細胞から分離して計測できるが、両細胞の信号を同時には計測できない。
新技術の特徴
・共培養した2種類の細胞の電気的信号を同時にかつ分離して多点計測できる世界唯一の技術である
・2種類の細胞の組合せを変更することで、様々な疾患に対する薬効評価・毒性試験に展開できる汎用性を有している
・半導体加工により製造できるため、用途に応じて微小電極及び微小孔の形状・寸法・配置を自由に設計でき、デバイスの大量生産が可能である
想定される用途
・神経疾患治療薬の開発における薬効評価・毒性試験
・神経疾患の発症メカニズムの解明
・医薬品開発における心毒性評価
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
九州工業大学 イノベーション本部 産学イノベーションセンター 知的財産・技術移転推進部門
TEL:093-884-3499
Mail:chizai
jimu.kyutech.ac.jp
URL:https://www.ccr.kyutech.ac.jp/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scett
jst.go.jp





