日本大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年12月23日(火) 10:30~14:25
会場:オンライン
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、日本大学
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:30~10:55
- 環境
1)マグネシウム化合物を用いた二酸化炭素の吸収およびその応用
日本大学 理工学部 物質応用化学科 教授 小嶋 芳行
新技術の概要
MgOあるいはMg(OH)2を、CO2と反応させて針状結晶の炭酸マグネシウム三水和物(MgCO3・3H2O)を得て、硬化体を得ることに成功した。原料は海水等、工場等から排出されるものを活用可能である。MgCO3の硬化体は二水セッコウと比較し含水率約2倍、比重も軽く、針状の結晶形状から機械的強度を有する軽量耐火材として活用が期待される。
従来技術・競合技術との比較
炭酸マグネシウム三水和物は完全に脱水して水和させると水を加えても硬化体ができない。硬化体とするためには適度に脱水された炭酸マグネシウム水和物が必要であるが、適度な脱水は非常に難しい。
簡便な方法で適度に水和物を残し、特長ある硬化体を得ることに成功した。CO2削減にもつながり、二水セッコウのように廃棄時の硫化水素発生の懸念がない。
新技術の特徴
・マグネシウム化合物を用いた二酸化炭素の固定
・炭酸マグネシウムを用いた軽量不燃建材の作製
・マグネシウム化合物の利用
想定される用途
・建設材料
・二酸化炭素固定化材料
・軽量不燃建材
関連情報
・サンプルあり
・展示品あり
- 11:00~11:25
- 情報
2)階層構造的画像パターン認識器構築法
日本大学 理工学部 応用情報工学科 教授 保谷 哲也
新技術の概要
本発明は、入力画像データから得られる、異なる解像度により形成される多重解像度のパターン、すなわち階層ピラミッド構造を用いて画像に含まれる認識対象の幾何学的構造を見出し、その構造を基に画像パターン認識を効率的に行う手法である。
従来技術・競合技術との比較
従来の画像パターン認識手法では素の画素情報を利用するのが主であり、分類クラス数が多くなればなるほど認識精度の低下は免れない。本発明では画像データの幾何学的階層構造を基に分解し、その分解された各々に対し得られる小分類結果を統括して最終結果を得るような、いわば絞り込み分類法によりこれらの問題を回避する。
新技術の特徴
・低コスト
・高速に動作する画像パターン認識器の構築
想定される用途
・画像パターン認識
- 11:30~11:55
- 創薬
3)アミド医農薬品の合成技術 ~簡便に合成可能な高活性脱水縮合触媒~
日本大学 文理学部 化学科 准教授 嶋田 修之
新技術の概要
アミドは多くの医農薬品の構造中にも広く含まれている。合成にあたり薬品を大量に消費するため、資源利用効率の低さや、廃棄物処理コスト、エネルギー負荷の増大が課題である。
アミドの化学合成に有効な、簡便に合成可能な新しい触媒の開発と応用に成功した。本技術は、生産効率と環境性能を両立した、医農薬産業における新技術となる。
従来技術・競合技術との比較
競合する触媒技術は、アミド/ペプチドを合成する際に、煩雑な脱水操作が不可欠であるため大量生産には不向きである。本技術は脱水操作が不要で、操作性に優れるため工業生産に適している。
また、従来技術と比較して、触媒の製造コストと製造時間の大幅な削減が可能であり、大量生産と用途拡充の双方において競合技術に対する優位性を有する。
新技術の特徴
・省資源・省エネルギー
・簡便合成
・低コスト化
想定される用途
・触媒の製品化
・医農薬品の開発
・医農薬品の製造法改良
- 13:00~13:25
- 建築・土木
4)実測加速度データを用いたリアルタイム震度(SIL)算出・可視化システム
日本大学 工学部 建築学科 教授 ガン ブンタラ ステンリー
新技術の概要
日本大学工学部構内の2施設において実施した地震時計測により得られた加速度データをもとに、リアルタイム震度処理システムを構築した。本システムは、観測データを即時に解析し、震度(SIL)の時間変動を可視化するものであり、その現地適用および観測結果について報告する。
従来技術・競合技術との比較
従来の震度評価は、地震後に取得した記録を事後解析する方式であり、即時性に欠けていた。本技術は、実測加速度データを用いてリアルタイムに震度(SIL)を算出・可視化する点で、地震緊急速報システムとして高い実用性を有する。
新技術の特徴
・小・中・超高層建築物における実測加速度データを基に、リアルタイムで震度(SIL)を算出・可視化するシステムを構築
・従来の事後解析型震度評価に比べ、地震緊急速報としての即時性および現場対応力を大幅に向上
・地震発生時における建物ごとの揺れの把握を可能とし、地震緊急速報システムや防災対応への応用が期待できる
想定される用途
・建築物や構造物におけるリアルタイム震度(SIL)モニタリングおよび安全性評価
・地震緊急速報システムへの連携による迅速な避難判断・災害対応支援
・地震観測ネットワークやスマートシティ防災プラットフォームへの応用
関連情報
・デモあり
・展示品あり
- 13:30~13:55
- 医療・福祉
5)アルツハイマー病の原因となるアミロイドβの高感度免疫測定法
日本大学 生産工学部 応用分子化学科 教授 吉宗 一晃
新技術の概要
アルツハイマー病(AD)の原因となるアミロイドβ(Aβ)は血液に微量に存在するため、血中Aβを測定するAD診断が髄液検査を補完する簡便な方法として期待されている。本発明ではAβ凝集体を抗体に結合しやすい形に制御する方法及び、その凝集体に特異的に反応する抗体を提供する。
従来技術・競合技術との比較
Aβを抗体と反応しやすい安定な形態に制御することでその高感度検出が可能となった。本技術は医療診断だけでなく、ADを予防する機能性食品の開発や、将来的にADの抗体治療効果の向上にも応用できると期待される。
新技術の特徴
・アミロイドβを高感度に検出できる安定な凝集体への誘導
・誘導したアミロイドβ凝集体を高感度に検出できる抗体
想定される用途
・アルツハイマー病の血液診断
・抗体治療薬の効果を高める物質の開発
・アルツハイマー病に効果のあるサプリメントのスクリーニング
関連情報
・サンプルあり
- 14:00~14:25
- 医療・福祉
6)血中遊離脂肪酸濃度で卵巣がんを早期発見
日本大学 医学部 医学科 助教 加藤 侑希
新技術の概要
微量血液中の「遊離」脂肪酸のみを正確かつ網羅的に測定する、質量分析器での測定系を発明した。また、その測定技術を用いて、特定の遊離脂肪酸の濃度に基づき、早期の卵巣がんを高精度に検出可能な診断アルゴリズムの構築に成功した。
従来技術・競合技術との比較
現在、確立された卵巣がん早期診断法は皆無である。本技術は、早期がんの検出感度が高く、婦人科非がん疾患との鑑別も可能で特異性も秀でる(感度=95.3%、特異度=82.6%)。更に、組織型に関係なく検出できるため、特に検診や人間ドックなどでの使用においては大きなアドバンテージを有する。
新技術の特徴
・卵巣がんをstage I/IIの早期から高精度に検出可能
・組織型に関係なく検出可能
・侵襲性が低く(血液数滴)、常温での郵送検査に対応可能
想定される用途
・がん早期診断(健診・人間ドック)
・がん再発モニタリング
・コンパニオン診断薬(がん免疫療法など)
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
日本大学 産官学連携知財センター
TEL:03-5275-8139
Mail:nubic
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URL:https://www.nubic.jp/
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