大阪大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2026年01月29日(木) 10:00~13:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、大阪大学
<お申込み方法・聴講方法>
聴講をご希望される方は、「説明会のお申込みはこちら」よりお申込みください。
申込受付:開催日前日まで
・お申込み完了後、マイページが設定され「事前登録完了のお知らせ」が届きます。
・メールに従いログインIDとパスワードでマイページへのアクセスをご確認ください。
・開催日前日にマイページより聴講用URLをご案内いたします。
・当日はマイページよりご聴講いただけます。
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 医療・福祉
1)精度向上およびダメージ低減を実現するボーンソー
大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 教授 榎本 俊之
新技術の概要
[概要]円弧状の第1軌道と、第1軌道を振動の端まで延長させた仮想線よりも後方に位置する第2軌道とを有する振動鋸。
[主な用途]外科手術等における骨の切削など。
[発明の効果]切削の能率を維持しつつ切削力、衝撃力を低減して、切削精度を改善し、骨へのダメージを低減し、さらに外科医の疲労を低減する。
従来技術・競合技術との比較
従来、鋸ブレードを振動させて、外科手術における硬組織(例えば、骨)などを切削する電動式の振動鋸が知られている。このような振動鋸を使用する際は、周囲の軟組織を損傷せずに硬組織を切断することが要求されるが、切削作業の加工精度向上と、鋸ブレードの歯先の摩耗を低減という観点において、改善の余地があった。
新技術の特徴
・振動の端部で円弧状軌道より後方の軌道を描かせる振動機構
・弾性ヒンジを有する鋸ブレード
・切削能率を維持しながら、切削力や衝撃力を低減、切削精度を改善して、作業者の疲労低減
想定される用途
・外科手術における骨などの硬組織の切削・切断
- 10:30~10:55
- 医療・福祉
2)微量体液を手軽に分析可能にするセルロース系前処理デバイス
大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 助教 菅原 章秀
新技術の概要
①官能基付加ペーパーポイントにより代謝物を吸着濃縮しその場で誘導体化と溶出を行うことで前処理を数分へ短縮し微量分析に有用とする技術。
②酢酸セルロースモノリスを用い疎水相互作用により生体試料中のタンパク質を迅速かつ選択的に除去し分析前処理を効率化する技術。
従来技術・競合技術との比較
①従来は抽出乾燥誘導体化に長時間を要したが官能基付加ペーパーポイントでは採取から誘導体化溶出まで一体化でき処理が大幅に簡略化される。
②従来の沈殿除タンパクは操作が煩雑で低分子の共沈を招きやすいがモノリスは通液のみで迅速除去でき処理の再現性と分析の安定性に優れる。
新技術の特徴
・酸性または塩基性官能基を付加したペーパーポイントが代謝物を効率的に吸着濃縮しその場で誘導体化と溶出まで実施できる
・酢酸セルロースモノリスが疎水相互作用によりタンパク質を迅速かつ選択的に吸着し除去と回収の双方に利用でき通液のみで安定した前処理が可能となる
・微量試料にも対応し前処理時間試薬量を大幅に削減でき分析の再現性と迅速性が向上し臨床分析や自動化にも適する
想定される用途
・体液中の代謝物を効率的に吸着濃縮し迅速に測定するGCMS前処理としてオンサイト診断やバイオマーカー解析に有用である
・体液中のタンパク質を迅速に除去または回収する前処理として医療分析や自動化装置への組込みに適する
・微量体液を対象とした高感度分析や迅速スクリーニングに適し臨床研究創薬支援自動化分析システムなど幅広い前処理工程に応用可能である
- 11:00~11:25
- 創薬
3)新規試薬の開発が可能にするフルオロアルケン類の簡便合成
大阪大学 大学院工学研究科 附属フューチャーイノベーションセンター (応用化学専攻)
助教 安井 孝介
新技術の概要
・フルオロアルケンはアミドの生物学的等価体として注目される骨格です。しかし、この骨格を立体選択的に合成するのは依然として困難です。本研究ではフルオロアルケン骨格を簡便に構築可能な試薬を新たに開発しました。
・気体であり、取り扱いの困難なフッ化ビニリデン (VDF) に代わり、VDF の部分構造を導入可能な液体性試薬も開発しましたので、報告します。
従来技術・競合技術との比較
・フルオロアルケンは主に gem-ジフルオロアルケンを変換することで合成されますが、立体選択性には課題が残ります。これに対して、本研究にて開発した試薬を用いると、完全な選択性でフルオロアルケンを調製できます。
・フッ化ビニリデンに代わる液体/固体性試薬はこれまでにも報告例がありましたが、調製過程でフッ化ビニリデンが必須でした。本研究で開発した試薬は完全にフッ化ビニリデンを用いることなく調製できることが特徴です。
新技術の特徴
・気体ではなく液体であるため、実験室でも取り扱いが容易
・生物活性分子へフッ素を簡便に導入可能
・簡便に調製可能なスルホキシイミンを新たに活用
想定される用途
・医薬品分子の探索
・農薬分子の探索
・新規モノマー
関連情報
サンプルあり
- 11:30~11:55
- デバイス・装置
4)高温環境下のメモリデバイス・エッジAIデバイス向けメモリスタ素子
大阪大学 大学院基礎工学研究科 システム創成専攻 教授 酒井 朗
新技術の概要
活性層が金属を添加した非晶質の酸化ガリウムから成るメモリスタであって、800Kの高温環境において低抵抗状態と高抵抗状態とが不揮発的に切り替わるメモリスタとして動作する。多値抵抗値のメモリアレイとしてニューラルネットワークを構成し、エッジAIデバイスとしての応用も期待できる。
従来技術・競合技術との比較
従来のメモリスタ素子より、高温かつ放射線環境下で動作するという特徴を活かして、航空宇宙分野、地熱井探索分野、原子力発電分野(具体例では熱媒体の監視)等におけるエッジAIデバイスとしての実用化を期待できる。
新技術の特徴
・800Kまでの高温下で多値の不揮発性メモリとして動作
・高放射線環境下での多値の不揮発性メモリとして動作検証中
・低電力動作のメモリスタアレイでニューラルネットワークを構成し、エッジAIに応用可能
想定される用途
・航空宇宙分野
・地熱井探索分野
・原子力発電分野
- 13:00~13:25
- 環境
5)水質汚染物質を再利用する吸着材のアップサイクル技術
大阪大学 産業科学研究所 産業科学ナノテクノロジーセンター ナノサイエンス共同研究分野
特任教授(常勤) 後藤 知代
新技術の概要
本技術は、水質浄化処理用の層状チタン酸塩シート吸着材の高い陽イオン捕捉特性を活かして、捕捉した水質汚染物質を脱着することなく、そのまま原料として光触媒材料へ再利用する技術である。本技術による光触媒は、吸着材の捕捉物質の種類により光触媒特性も異なるとともに特徴的なシート構造を有する。
従来技術・競合技術との比較
従来のアップサイクル技術は、廃棄プラスチック、食品廃棄物等といった身近な製品や素材に対する処理が多い。一方、本技術は使用済みナノマテリアル(吸着材)から新たな機能性ナノマテリアル(光触媒)を創出するアップサイクルであり、本技術により固定化やリユースだけでない、使用済みナノ吸着材の活用方法を提案する。
新技術の特徴
・水質処理後のチタン酸塩シート吸着材をそのまま原料とする
・結晶構造中ので捕捉汚染物質(陽イオン)を利用することで光触媒へアップサイクル
・吸着材の捕捉物質や熱処理の条件により、光触媒の特性が異なる
想定される用途
・水質浄化材料(光触媒による水中の有機汚染物質分解など)
・エネルギー変換材料(水素生成、CO2再資源化など)
・空気清浄用材料(光触媒による空気中のVOCや有機物質の分解など)
関連情報
サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
大阪大学 共創機構 イノベーション戦略部門 知的財産室
TEL:06-6879-4861
Mail:tenjikai
uic.osaka-u.ac.jp
URL:https://www.ccb.osaka-u.ac.jp/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scett
jst.go.jp





