東京都立大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年11月25日(火) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、東京都立大学
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 情報
1)ニュースになる前に察知する:情報前兆解析の可能性
東京都立大学 システムデザイン学部 情報科学科 教授 會田 雅樹
新技術の概要
本発明は、世間のネット炎上やバズりといったユーザダイナミクスの過熱を予測する技術に関するものです。検索や投稿に含まれるキーワードの頻度情報を時系列で取得し、周波数解析によって低周波成分の強度変化を検知することで、将来的な関心度の高まりを予測することができます。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、ネット上に関連情報が広まったあとの状況で、関連の投稿コンテンツが出願することを前提とした分析方法となっているため、ネット炎上等の早期検知が困難でした。本発明では、低周波成分の振幅強度の変化に着目することで、未公表情報による炎上等の予兆を高精度かつリアルタイムに予測することができます。
新技術の特徴
・検索・投稿頻度の時系列データを周波数解析し、低周波成分の振幅強度の変化から将来的な炎上・バズりを予測
・高精度かつリアルタイムな予測が可能
・第2のキーワードを含めて分析することで、関心度の過度な高まりが肯定的か否定的かを判断
想定される用途
・企業のリスクマネジメント(炎上予防、対策)
・マーケティングにおけるトレンド予測
・犯罪情報の早期検知
- 14:00~14:25
- 情報
2)犯罪捜査にも利用される「耳紋」データベース生成
東京都立大学 システムデザイン学部 情報科学科 教授 西内 信之
新技術の概要
本発明では、壁に残った耳(耳介)を押し付けた跡「耳紋」のデータベースを生成するシステムを提供します。耳介を押し当てた際の荷重と画像を連動させ、様々な圧力条件下で得られる耳紋画像を蓄積することで、例えば犯罪現場に残された多様な耳紋パターンに対応することができます。
従来技術・競合技術との比較
耳の凹凸形状には顕著な個人差があり、諸外国、特に米国では長きにわたって耳紋が指紋と同様に犯罪捜査に利用されていますが、従来の耳紋照合は耳介画像とのパターンマッチングに留まっており、認証率が低く実用的ではありませんでした。本技術により、照合精度と実用性を大幅に向上させることが可能となります。
新技術の特徴
・耳介の押し当て荷重に応じた撮影画像の取得・記録
・撮影画像を正対化し、耳紋画像として生成
・荷重と耳紋画像の紐付けによる高精度データベース構築
想定される用途
・犯罪捜査における耳紋照合
・生体認証システムへの応用
・法医学、法科学分野での個人識別
- 14:30~14:55
- 材料
3)ゼロ熱膨張を実現する遷移金属ジルコナイド材料の提案
東京都立大学 理学部 物理学科 准教授 水口 佳一
新技術の概要
本発明では、遷移金属ジルコナイドの結晶構造における軸方向の熱膨張性を制御することで、広い温度範囲で体積変化がほぼゼロとなる材料を提供します。特定の遷移金属元素の選択と添加量の調整により、a軸とc軸の膨張率を制御可能とし、単一材でのゼロ熱膨張の実現が可能となります。(現時点では圧力下のみで実現)
従来技術・競合技術との比較
ゼロ熱膨張材料は、正の熱膨張性と負の熱膨張性を持つ材料を混ぜ合わせたコンポジット材料が主流ですが、本発明は単一材でありながら、広い温度範囲でのゼロ膨張性を実現しています。さらに、従来のコンポジット材料と比較し、作製時の再現性向上やコスト削減も可能です。
新技術の特徴
・単一のゼロ熱膨張材料を提供
・結晶構造の軸方向膨張率を精密に制御
・広い温度範囲での加熱による体積変化を抑制
想定される用途
・電子デバイス、半導体製造装置における精密部品
・光学機器における熱安定性部材(ミラー、レンズマウント)
・宇宙・航空分野の温度変化対策部材
関連情報
・サンプルあり
- 15:00~15:25
- 材料
4)深紫外領域で活用できる透明電極材料の提案
東京都立大学 理学部 化学科 教授 廣瀬 靖
新技術の概要
本発明では、深紫外光(UV-C)に対して高い透過性を持つ透明電極材料を提供します。SnO₂を主成分とし、Taを0.8〜7.0原子%含む酸化物層を形成することで、高いキャリア密度と移動度を実現し、UV-C領域での光透過率を向上させることが可能となりました。
従来技術・競合技術との比較
従来の透明電極材料は紫外線領域(UV-A、UV-B)には高透過性を示すものの、UV-C領域では透過性が低い課題がありました。本発明は、Taの高濃度ドーピングによるBurstein-Mossシフトを活用してUV-C領域でも高い導電性と透過性を両立させ、従来技術より性能指数(FoM)にも優れています。
新技術の特徴
・UV-C領域で60%以上の高透過率を実現
・高いキャリア密度(最大6.2×10²⁰ cm⁻³)と移動度(50 cm²/V·s以上)
・パルスレーザー堆積法(PLD法)による高品質なエピタキシャル成膜が可能
想定される用途
・殺菌・ウイルス除去用深紫外発光ダイオードの窓電極
・ソーラーブラインド紫外光センサーの窓電極
- 15:30~15:55
- エネルギー
5)高純度な過酸化水素等を製造可能な新型電解反応装置
東京都立大学 都市環境学部 環境応用化学科 教授 天野 史章
新技術の概要
本発明では、再生可能エネルギー由来の電力を利用し、環境にやさしい酸化剤である過酸化水素を高効率で製造する反応装置を提供します。アノード膜、多孔質電解質膜、カソード膜を積層したユニット構造により、エネルギー消費の少ない穏和な条件で選択性高く、高難度な過酸化水素の製造反応に成功しています。通常の電解反応とは異なり、支持電解質を含まない純過酸化水素を合成できます。
従来技術・競合技術との比較
従来の製造法は、製造工程の煩雑さ、エネルギーの大量消費、CO2排出等の課題がありました。本発明は、多孔質な電解質膜を活用し、気体である酸素をクロスオーバーさせることで、高効率・高選択性な高濃度の純過酸化水素の製造を実現しています。さらに、近接したユニット膜となるためセル抵抗が低く、電力エネルギーの削減も可能です。
新技術の特徴
・アノード膜、多孔質電解質膜、カソード膜を積層したユニット構造
・アノード側からカソード側へのクロスオーバーを利用した、高選択性の反応設計
・反応装置内のセル抵抗を小さくできることで、浪費電力の低減が可能
想定される用途
・不純物を含まない高純度の過酸化水素の製造、提供
・既存の精密機器製造ラインや衛生設備への組み込み
・余剰電力の活用、小規模分散型の過酸化水素の連続製造
お問い合わせ
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東京都立大学 産学公連携センター
TEL:042-677-2202
Mail:sangaku-ura
jmj.tmu.ac.jp
URL:https://research-miyacology.tmu.ac.jp/
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