横浜国立大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年06月10日(火) 10:00~11:55
会場:オンライン
参加費:無料
主催:科学技術振興機構 、横浜国立大学
<お申込み方法・聴講方法>
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 製造技術
1)ベンゼンからフェノールを直接合成する新しい触媒反応系
横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門 助教 長谷川 慎吾
新技術の概要
フェノールは樹脂等の原料に用いられる重要な物質である。酸素・ギ酸・触媒を用いることでベンゼンの直接酸化によるフェノール合成を選択的に進行させる触媒反応系を開発した。適切な触媒および反応条件の適用によって円滑な反応の進行を達成できる。
従来技術・競合技術との比較
フェノールの一般的製法であるクメン法ではベンゼンからフェノールを得るために二段階の反応が必要であるという課題があった。また、一段階でのフェノール合成のために開発された従来技術と比較して、本技術では化学的に安定な物質を用いて、かつ高い反応速度でベンゼンからフェノールを一段階で合成することができる。
新技術の特徴
・酸素を酸化剤としてベンゼンからフェノールを一段階で合成可能
・安定で取り扱い容易なギ酸を添加剤に使用
・高い反応速度でフェノールの合成が可能
想定される用途
・フェノールの製造
・フェノールを中間体とする樹脂等の化成品製造の効率化
- 10:30~10:55
- アグリ・バイオ
2)コーヒー粕から得られた新しいホロセルロースナノファイバーとその優れた水再分散性
横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門 教授 川村 出
新技術の概要
コーヒー粕の多糖類から機械解繊方式を用いて極細繊維幅(2-3 nm)のホロセルロースナノファイバー(HCNF)を開発した。ヘミセルロースのマンナンを多く含むHCNFの凍結乾燥体は、水への再分散性に優れ、保存・運搬が容易であり、食品・飲料品・化粧品への応用が期待できる。
従来技術・競合技術との比較
従来法で繊維幅2-3 nmを得るには、TEMPO触媒酸化等の化学修飾法を必要としたが、本技術は湿式ジェットミルによるナノ化のみで極微細化を達成した。マンナン含有のHCNFは他のナノセルロースに見られない特徴であり、水への再分散性を容易にする。コーヒー粕乾燥重量の50%以上を利用できる効率的なアップサイクル技術である。
新技術の特徴
・機械的ナノ化処理のみにもかかわらず、2–3 nm均一幅のナノファイバーを形成可能
・コーヒー粕乾燥重量の約50%を占めるセルロース+ヘミセルロース(=ホロセルロース)を原料としてHCNFを高収率で回収できる
・HCNFの凍結乾燥体は保存・運搬に優れており、軽微な水の振盪処理で任意の濃度でナノスケールに再分散する
想定される用途
・ 食品、飲料、化粧品、香料等への乳化安定剤・分散剤・増粘剤
・ 包装材、フィルム成形への添加剤
・ 3Dプリンター用フィラメント
関連情報
・サンプルあり
- 11:00~11:25
- 材料
3)液体金属を用いた伸縮性放熱フィルム
横浜国立大学 大学院工学研究院 システムの創生部門 准教授 太田 裕貴
新技術の概要
本発明は、液体金属をナノ薄膜で封止し、伸縮性・高伝熱性・抗腐食性・絶縁性を同時に実現する新しい伝熱フィルムに関する。従来の膜に比べて極めて柔軟で、微小な凸凹への高い密着性が得られ、集積素子、ウェアラブルデバイス、スマートフォンの分野などへの応用が期待される。
従来技術・競合技術との比較
従来は伝熱材料として液体金属を直接用いると腐食や導電の問題があり、絶縁膜や腐食防止膜で保護すると伝熱性が低下していた。他の競合技術でも、伸縮性と絶縁性、耐腐食性を同時に満たすのは困難であった。本技術はそれらをすべて解決する。
新技術の特徴
・液体金属をナノ薄膜で封止し、伸縮性・高伝熱性・抗腐食性・絶縁性を同時に確保
・20µm以下の極めて薄いフィルムが製造可能で、高い柔軟性と密着性を実現
・液体金属に銅などの高伝熱性微粒子を混合することで、さらなる放熱性能向上が期待
想定される用途
・ウェアラブルデバイスやスマート衣服などの高効率放熱材
・次世代のスマートフォンやタブレットの熱制御部材
・医療用機器や診断装置など、身体への高い密着性が求められる冷却部材
- 11:30~11:55
- デバイス・装置
4)熱放射を制御するメタレンズ型赤外放射メタ表面
横浜国立大学 大学院工学研究院 知的構造の創生部門 准教授 西島 喜明
新技術の概要
金属ー誘電体ー金属ナノ構造からなるMIM型のメタ表面構造にメタレンズ構造を導入することにより、レンズを使わずに所望の焦点距離に放射光を集光する技術を開発した。
従来技術・競合技術との比較
赤外放射は広がる特徴があり、従来はレンズなどが必要であった。赤外の光学部品は高価で損失が大きいため、レンズフリーで使いたいという要望が強くあった。
新技術の特徴
・赤外の熱放射制御
・プラズモンメタ表面構造
想定される用途
・ガスセンサー
・エネルギーハーベスター
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
横浜国立大学 研究推進機構 産学官連携推進部門
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