九州工業大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2026年11月19日(木) 10:00~13:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、九州工業大学
<お申込み方法・聴講方法>
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 材料
1)フォトクロミック特性を示す有機無機ハイブリッド材料
九州工業大学 大学院工学研究院 物質工学研究系 准教授 吉田 嘉晃
新技術の概要
重合性官能基を有するラダー状ポリチタノキサンと多官能性コモノマーをラジカル重合により硬化し、支持体を必要としない自立型有機-無機ハイブリッド材料を実現しました。強靭なネットワーク構造により高強度と優れた耐クラック性を示すとともに、紫外光照射により黒色化し、遮光下で退色する可逆的なフォトクロミズムを発現します。
従来技術・競合技術との比較
従来のフォトクロミック材料は、酸化チタンナノ粒子等を基板上に薄膜として形成するものが一般的であり、使用時の薄膜の剥離やクラック発生による耐久性の低下が課題でした。本技術は、支持体を必要としない自立型材料とすることで、これらの課題を解消し、高い耐久性とフォトクロミック機能を両立する点に特徴があります。
新技術の特徴
・支持体を必要としない自立型有機-無機ハイブリッド材料
・強靭なネットワーク構造による高強度かつ優れた耐クラック性
・紫外光で黒色化し、遮光下で退色する可逆的フォトクロミズム
想定される用途
・調光レンズ
・スマートウィンドウ
・光機能デバイス
関連情報
サンプルあり
- 10:30~10:55
- 創薬
2)薬剤の組み合わせ予測方法の開発
九州工業大学 大学院情報工学研究院 生命情報工学研究系 准教授 飯田 緑
新技術の概要
相乗効果の高い薬剤の組み合わせを予測できる新しい計算手法「SyndrumNET」を開発した。本手法はインタラクトームやトランスクリプトームなどのオミックス情報を統合することで、相乗効果を持つ薬剤の組み合わせを予測する。
従来技術・競合技術との比較
従来手法はインタラクトームか遺伝子発現のどちらか一面の情報しか用いず、特定疾患にしか適用できない汎用性の低さや精度の低さが課題でした。本手法では、複数のオミックス情報を用いることで、汎用性と精度の向上を達成しました。
新技術の特徴
・関係図と活性データを統合して組み合わせ効果を予測
・ネットワーク伝播で、直接データのない組み合わせを評価
・対象を問わない汎用性と実験で裏付けられた精度
想定される用途
・化学物質の複合毒性、農薬や食品成分の配合、微生物叢の共生・競合の推定
・データが疎な領域──材料の添加剤探索、生物種をまたいだ毒性の外挿、社会・経済ネットワークでの間接影響の推定
・複合曝露評価、多成分配合設計
- 11:00~11:25
- アグリ・バイオ
3)作物の高温・乾燥ストレスを軽減するペプチド資材
九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生命体工学専攻 准教授 池野 慎也
新技術の概要
本技術は、植物の乾燥・塩・高温などの環境ストレス耐性に関与するLEAタンパク質由来の短鎖ペプチドを有効成分とするバイオスティミュラントである。植物、種子、苗、または栽培土壌等へ処理することで、ストレス下での生育維持・初期成長改善を図る。
従来技術・競合技術との比較
従来のバイオスティミュラントは、海藻抽出物、アミノ酸、有機酸、微生物資材など複合成分型が多く、作用成分や機構が不明瞭な場合がある。本技術は、LEA由来ペプチドという明確な分子設計に基づき、担体担持による送達制御も可能な点で差別化される。
新技術の特徴
・乾燥・高温・塩などのストレス環境下で、生体分子や細胞構造の安定化に寄与する短鎖ペプチド技術
・配列設計・アミノ酸置換により、対象用途に応じた機能最適化が可能
・担体化や製剤化により、農業、食品、バイオ医薬、酵素利用分野などへの応用が可能
想定される用途
・高温・乾燥・塩害条件下での作物生育安定化資材
・育苗処理、葉面散布、土壌処理用の農業用組成物
・気候変動対応型のバイオスティミュラント製品・機能性農業資材
- 11:30~11:55
- 建築・土木
4)部屋のお掃除ロボット移動可能レベルを引っ越し前に診断
九州工業大学 大学院工学研究院 建設社会工学研究系 准教授 石塚 直登
新技術の概要
お掃除ロボットをはじめとした家庭用ロボットが、どの程度住宅内で動作するかは、現状では使ってみるまで分からない。本技術では、部屋の各種寸法をカメラ等で読みとり、ロボットの稼働実験のデータと突き合わせることで、あらかじめどの程度動作するかを可視化する。
従来技術・競合技術との比較
ロボット各社はそれぞれに移動実績のある範囲をアプリ表示する技術を持っているが、あくまで事後的である。本技術は、予測ではあるが移動可能と推定する範囲をあらかじめ表示する点で異なる。また、類似する考え方にRFA規格があるが、住宅内での移動を対象としていない。
新技術の特徴
・家庭内ロボットの移動可能判定を、「使ってみるまで分からない」から「事前判定」可能にする
・サービスロボットの住宅内移動を機種・メーカーをまたいで比較可能
想定される用途
・家庭用ロボットの購入前の比較検討利用
・住宅購入や、賃貸検討における付加価値提供
・ロボット・住宅双方の分野の設計者の水準設定
- 13:00~13:25
- 計測
5)細胞内局所pHを指標とした薬剤スクリーニング
九州工業大学 大学院情報工学研究院 生命情報工学研究系 教授 森本 雄祐
新技術の概要
本技術は、pH感受性蛍光タンパク質を細胞膜近傍の特定距離に配置し、局所的な細胞内pHを高感度に可視化する技術である。従来困難であった局所pH変化や低濃度薬剤への応答を検出でき、薬剤スクリーニングの高精度化や動物実験の削減に貢献する。
従来技術・競合技術との比較
従来の細胞内pH計測は細胞全体の平均値を捉える手法が中心で、膜近傍など局所的なpH変化の検出は困難であった。本技術は蛍光プローブの膜からの距離を制御することで、GPCRなどが存在する生体膜の局所pHを選択的かつ高感度に検出できる点で優位性を有する。
新技術の特徴
・細胞膜近傍の局所pH変化を高感度に可視化できる
・リンカー等により、蛍光プローブの生体膜からの距離を制御できる
・低濃度薬剤による微小なpH応答を検出できる
想定される用途
・医薬品候補化合物のスクリーニング
・細胞毒性・薬剤応答の高精度評価
・細胞膜近傍のpH動態を対象とした基礎研究・疾患研究
- 13:30~13:55
- 医療・福祉
6)これが注射器!?衝撃波で駆動する針なし注射
九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系 テニュアトラック准教授 市原 大輔
新技術の概要
高速流体力学の象徴的な現象である「衝撃波」を活用した針なし注射器をご紹介します。衝撃波特有の非常に高い圧力エネルギーを駆動力として薬剤粒子や溶液を高速で射出し真皮層以深まで物質を送達します。皮膚組織内部まで衝撃波を伝搬させることで従来の溶液に加えてこれまで困難であった固体物質も送達することに成功しました。衝撃波による圧力エネルギーを介した送達深度の調整により皮内注射/皮下注射の各用途に対応できる点も本技術の強みです。
従来技術・競合技術との比較
従来の有針注射のような痛みがなく、外用薬を超える深部送達(真皮・皮下組織)が可能です。また、深度制限のあるマイクロニードルや液体限定の既存針なし注射に対し、衝撃波の力学作用により高深度貫入を実現します。さらに液体だけでなく固体粒子や懸濁液の投与にも対応する点で高い優位性を有します。
新技術の特徴
・衝撃波の圧縮・引張り(負圧)作用を活用した高深度・高速送達
パルス電流による微小領域の瞬間加熱・アブレーションで発生させたブラスト波を利用し、最高約0.7 km/sの高速で粒子を射出します。衝撃波による圧縮だけでなく、膨張波由来の負圧(引張り)作用で皮膚の破断を促進することで、基板変形量を大幅に超える高深度(真皮・皮下組織)への確実な貫入を実現します。
・固体・液体・懸濁液に対応する優れた薬剤アタッチメント性
従来型の液体注射剤に加え、固体マイクロ粒子(ポリ乳酸粒子等)や懸濁液の導入実証に成功しています。これにより、フリーズドライ製剤や徐放製剤、非水溶性薬剤など、多様な物性・形態の薬剤をそのまま生体内へ送達することが可能です。
・電気エネルギーによる確実な深度制御と多点(クラスター)射出性
供給する電気エネルギー量を調整することで、ターゲットとする組織(皮内・皮下)に応じた貫入深度を再現性高くコントロールできます。また、回路(ブリッジ部)の配置設計により多点射出(クラスター化)が容易であり、患部全体への均一な投与に対応可能です。
想定される用途
・セルフメディケーション・極限環境(離島・宇宙等)向けの自己投与型・絆創膏型デバイス
患者自らが安全・無痛に投薬やワクチン接種を行える自己注射デバイスとしての展開です。通院負荷を削減し、感染症流行時や災害時、離島・宇宙空間などの極限医療環境におけるセルフメディケーション推進に貢献します。
・皮内注射・皮膚疾患(アトピー性皮膚炎等)向けの低侵襲治療システム
電気エネルギー制御により皮内層へ正確に薬剤を導入できるため、高効率な皮内ワクチン接種装置として活用できます。さらに、多点射出構造を活かすことで、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に対する塗り薬に代わる新しい局所治療アプローチを提供します。
・固形・徐放性製剤を活用した次世代ドラッグデリバリー(DDS)および新薬開発
固形薬剤の直接注射が可能となるため、薬効を長期間持続させる徐放製剤や、水溶化が困難で従来の液剤化ができなかった新規化合物の投与システムとして、製薬企業との連携による新たな創薬・DDS技術開発へ展開できます。
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九州工業大学 研究本部 産学イノベーションセンター 知的財産・技術移転推進部門
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jimu.kyutech.ac.jp
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