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千葉大学 新技術説明会【対面開催】

日時:2025年09月30日(火) 10:00~13:55

会場: JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構 、千葉大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 計測

1)超音波で制御したマイクロバブルによる液体粘性分布の可視化

千葉大学 フロンティア医工学センター 研究開発部 准教授 吉田 憲司

新技術の概要

超音波の音響放射力によりマイクロバブルの移動を制御し、その移動量から周囲液体の粘性係数を推定する。超音波画像診断装置を用いることで、視野内に存在する全てのバブルを対象に粘性係数を評価でき、粘性の空間分布を可視化することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来の粘性評価技術は測定対象である液体を専用セルに充填して計測する手法が主流である。それに対し、開発技術はその場での観察が求められる対象への応用が期待される。最大の特徴は粘性の空間分布のイメージングであり、原理的には狭い閉空間内の局所的な粘性評価も可能である。

新技術の特徴

・液体粘性のin-situイメージング
・高時間分解能(< 1 s)
・低粘度条件(<10 mPa·s)での評価

想定される用途

・血液性状(ヘマトクリット、血漿粘性)の in-vivoイメージング(医療診断)
・マイクロ流体デバイス内の液体粘性の評価(化学反応モニタリング)
・食品加工液などの製造ラインにおける粘性評価

  • 10:30~10:55
  • 医療・福祉

2)睡眠および環境データ等を用いたせん妄の発症予測

千葉大学 大学院情報学研究院 総合情報学講座 助教 實石 幸穗

新技術の概要

本技術は睡眠を含む活動量および物理的環境データ等の前向き経時的データを用いて、せん妄の発症予測を可能とする。非接触・非侵襲的手法にて網羅的に採取したせん妄発症予測因子を用いて、将来的なせん妄の発症および閾値下せん妄(せん妄の病像は完成していないがせん妄症状が出現している状態)の発症の予測を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

既存のせん妄アセスメントツールは対象者の回答に基づいた評価となるため、現に発症しているせん妄の鑑別は可能であっても、将来的なせん妄の発症可能性の早期検出は困難である。本研究では、複数のせん妄発症予測因子パラメータを用いることで、閾値下せん妄を含む将来的なせん妄の発症をより早期かつ精度よく予測する。

新技術の特徴

・睡眠を含む活動量および物理的環境をパラメータに含めた予測モデル
・将来的なせん妄発症予測が可能
・閾値下せん妄の発症予測が可能

想定される用途

・非侵襲・非接触によるせん妄発症予測
・非侵襲・非接触による閾値下せん妄発症予測

  • 11:00~11:25
  • 情報

3)各画像機器固有の像特性(MTF)を制御可能に

千葉大学 大学院情報学研究院 総合情報学講座 准教授 田中 緑

新技術の概要

本発明は、画像の鮮明さを左右する像特性(MTF:Modulation Transfer Function(変調伝達関数))を任意に制御する。具体的には、画像機器内のチャネル間や異なる画像機器間で異なるMTFを操作可能とする新技術である。撮像から表示に至る画像機器の像特性を統一・最適化することで、試作コスト削減や出荷後の補正にも対応する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、製造者のみが保有する光学設計情報を用いた像特性の補正や、MTFを考慮しない画像処理(アンシャープ、デコンボリューション等)に頼る画質改善手法が一般的である。本発明は、ISO規定による実測可能なMTFを用いて、設計情報を不要とする点に優位性・新規性がある。

新技術の特徴

・任意のMTFに変換する画像シミュレーションとして活用できるため、画像機器の試作におけるコスト削減に貢献する
・単一画像機器内でのMTF変換のみならず、異なる像特性を有する異なる画像機器間でのMTF変換も可能とするため、放送通信分野での活用も期待される
・画像処理フィルタとしても機能するため、機器の買換えではなく画像処理フィルタのソフトウェア更新による画質対応が可能となり、製造に要する環境負荷軽減に貢献できる

想定される用途

・画像機器(カメラやディスプレイ、プロジェクタ、複合機など)搭載の画質制御機構
・衛星・医療などの専門用途画像機器の画質制御機構
・放送通信機器における、画像機器間の情報伝達のための信号変換機構

  • 11:30~11:55
  • 医療・福祉

4)表情・心拍計測によって得られた特徴量からの認知バイアスの推定と応用

千葉大学 大学院情報学研究院 総合情報学講座 准教授 津村 徳道

新技術の概要

本研究は、認知バイアスに関係する画像を複数表示した際の表情変化と心拍変動の特徴量を用いて、個人の認知バイアスを非侵襲的に推定する技術である。本人の意識下では認知されていない無意識化で生じる潜在認知を画像観察時にストレスとして計測している。従来の認知バイアス計測では分類タスクの反応時間計測(IATテスト)であるため長時間を要したが、本手法は生理に基づく客観的な推定を可能にし、心理評価の効率性と信頼性を飛躍的に向上させる点で新規性と優位性を有する。

従来技術・競合技術との比較

従来のIATによる潜在認知におけるバイアスの測定は、時間的負荷が高い、それに対して、本技術は表情と心拍変動から認知バイアスを短時間かつより客観的に推定できる点で革新的である。

新技術の特徴

・認知バイアスの計測のための生体情報の計測
・認知バイアスの計測による偏見などの可視化
・認知バイアスを明らかにするための提示刺激の生成

想定される用途

・認知バイアスを理解することによりストレス低減
・先入観や偏見の可視化と低減
・メタ認知社会のための基盤

  • 13:00~13:25
  • 機械

5)超音波振動で乱流抵抗を9割低減、翼性能を10倍向上

千葉大学 大学院工学研究院 機械工学コース 教授 劉 浩

新技術の概要

本発明は、イルカ皮膚表面のマイクロ超音波振動を規範とした壁面波動振動が乱流境界層中の多重渦構造を能動的に制御可能な革新的乱流制御戦略を提案している。これにより、乱流抵抗が9割超低減し翼性能が10倍超向上することを発見した。 

従来技術・競合技術との比較

従来の翼乱流抵抗を低減する方法では、壁面の静的表面微細構造(表面荒さ、超疎水性表面)または、低周波数大振幅の動的振動が利用されてきた。しかし、これらの方法では能動的且つ安定的に壁面乱流境界層の低層流速ないし剪断ずり応力を制御することは困難であり、20%以上の抵抗低減と翼性能を増大させることは困難である。

新技術の特徴

・イルカ皮膚表面のマイクロ超音波振動を規範とした壁面波動振動が能動的に乱流抵抗を大幅に低減または消失することが可能
・航空機の翼表面にマイクロ超音波振動システムを配置することで乱流抵抗を9割以上低減可能
・航空機の翼表面にマイクロ超音波振動システムを配置することで翼の空力性能(揚抗比)を10倍以上向上可能

想定される用途

・あらゆる有人無人航空機の革新的な燃費向上
・あらゆる船舶の革新的な燃費向上
・あらゆる電車や自動車の革新的な燃費向上

関連情報

・デモあり

  • 13:30~13:55
  • 材料

6)ポリカーボネート、ポリウレタンのケミカルリサイクル

千葉大学 大学院工学研究院 共生応用化学コース 准教授 青木 大輔

新技術の概要

本研究では、カーボネート結合やウレタン結合の効率的な分解をキーワードとし、プラスチックを肥料に変換するリサイクルシステムについて紹介する。

従来技術・競合技術との比較

地球環境の保全とプラスチック利用を両立させる革新的なリサイクルシステムの開発が望まれている一方で、経済合理性を有するケミカルリサイクルは挑戦的な課題である。本研究では身近な塩基であるアンモニアを用いたプラスチックのケミカルリサイクルについて紹介する。

新技術の特徴

・水を媒体としたプラスチックの分解
・分解工程で生成する尿素の利用
・バイオベースポリマーにも展開可能

想定される用途

・機能材料
・リサイクル技術
・可塑剤

関連情報

・デモあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

千葉大学 産学連携課
TEL:043-290-3048
Mail:ccrcuアットマークfaculty.chiba-u.jp
URL:https://imo.chiba-u.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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